【第2回】制度を実際に使うには? ~所有不動産記録証明制度の申請方法・必要書類・手数料を解説~

2025年10月03日

相続や財産管理の場面で、全国にある不動産を一括で調査できる「所有不動産記録証明制度」。2026年2月から開始予定のこの制度は、相続人や後見人にとって強力な支援ツールとなると注目されています。

第1回では制度の概要をご紹介しましたが、今回は実際の【利用方法】に焦点をあて、誰が、どのように申請できるのか、必要な書類や費用はいくらか、といった実務的な情報を詳しく解説します。

「制度の利用を検討しているけど、申請手続きがよくわからない」という方や、司法書士・行政書士・税理士の方も必見の内容です。

目次

  1. 利用できる人は誰か?
  2. 申請方法は?オンライン申請も可能?
  3. 必要な書類と記載内容
  4. 手数料はいくら?
  5. 取得できる証明書のイメージと注意点
  6. まとめ
  7. 【CTA】ご相談・手続きのご依頼はこちら

1. 利用できる人は誰か?

 所有不動産記録証明制度を利用できるのは、次のような立場の人です。

  • 本人(不動産の所有者)
  • 相続人または法定相続情報一覧図の記載者
  • 成年後見人・任意後見受任者・親族後見人
  • 遺言執行者
  • 代理人(司法書士・弁護士など)※委任状が必要

 特に、相続人が遺産分割協議の前提として、被相続人の所有不動産を把握したい場合に最も活用される想定です。

2. 申請方法は?オンライン申請も可能?

 制度開始当初は、紙での申請書提出と郵送または窓口での受取が中心となる見込みです。ただし、将来的には「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を通じた電子申請にも対応する計画があるとされています。

 申請先は「法務局(登記所)本局」に限られ、支局や出張所では取り扱わない可能性が高いため、申請先の選定にも注意が必要です。

3. 必要な書類と記載内容

 申請に必要な書類の主な構成は以下のとおりです。

  • 申請書(所定様式)
  • 申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 相続関係がわかる戸籍謄本等(相続人が申請する場合)
  • 成年後見登記事項証明書(後見人等の場合)
  • 委任状(代理人による申請の場合)

 申請書には、調査対象者の以下の情報を正確に記載する必要があります:

  • 氏名
  • 住所(住民票上の最後の住所)
  • 生年月日
  • 性別
  • 本人確認資料の種類と番号

 情報が不正確だと、照会できない可能性がありますので注意が必要です。

4. 手数料はいくら?

 証明書1通あたりの手数料は 400円前後 とされる予定ですが、法務省からの正式な発表を待つ必要があります。また、郵送申請の場合は返信用封筒・切手などの実費もかかります。

 司法書士等の代理人に依頼する場合は、別途報酬が必要です。相続人やご家族だけで手続きするのが難しい場合は、専門家のサポートを検討してもよいでしょう。

5. 取得できる証明書のイメージと注意点

 証明書には、全国にある登記簿上の「所有不動産の一覧」が記載されます。地番や家屋番号、登記所の所在地といった項目が記載され、各不動産ごとに詳細情報は含まれません(登記事項証明書は別途取得が必要)。

 重要な注意点として、

  • 【共有持分のみ】の所有でも記載される
  • 【すでに売却済の不動産】は対象外
  • 【未登記の不動産】は対象外

という点を押さえておきましょう。

6. まとめ

 所有不動産記録証明制度は、相続・後見・不動産調査の現場において大きな変革をもたらす可能性を秘めています。制度を正しく理解し、適切に活用することで、財産調査や手続きの効率化につながります。

 今回は申請方法や必要書類についてご紹介しましたが、「実際どんなときに使うのか」「他の制度とどう使い分けるべきか」といった点については、第3回で詳しく解説します。

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