相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【2026年版】認知症になる前にしか使えない“不動産相続の3大対策” ― 遺言・任意後見・家族信託の正しい選び方 ―

ここまでの記事で、
「認知症になると家が凍結される」
「空き家と義務化がその家を爆弾に変える」
という現実をお伝えしてきました。
では、どうすれば防げるのか。
結論は明確で、認知症になる前に、不動産の出口を"法律で"作るしかありません。
そのための三大手段が、遺言・任意後見・家族信託です。
ただし、この3つは万能ではなく、不動産の種類によって使い分けなければ逆に失敗します。
■ 目次
- なぜ「早く決める」しか解決策がないのか
- 遺言が機能する家・しない家
- 任意後見でできること・できないこと
- 家族信託でしか救えない不動産
- 不動産の状況別・ベストな制度
- なぜ司法書士の設計が必須なのか
- よくある質問(FAQ)
1. なぜ「早く決める」しか解決策がないのか

認知症の問題が恐ろしいのは、
発症した瞬間に、あらゆる対策が法律上"締め切られる"ことです。
不動産の売却、贈与、名義変更、信託設定。
これらはすべて「本人の意思」に基づく法律行為です。
認知症になると、その意思が無効と扱われます。
つまり、
対策は元気なうちにしか打てません。
2. 遺言が機能する家・しない家

遺言はとても重要です。
しかし、不動産の問題をすべて解決できるわけではありません。
遺言でできるのは
「誰が相続するか」まで。
例えば、
- 施設費用のために売却したい
- 空き家を壊したい
- 賃貸物件を整理したい
こうした「生きている間の処分」は、遺言ではできません。
遺言が向いているのは
**「自宅1軒だけ」**の家庭です。
3. 任意後見でできること・できないこと

任意後見は、
「認知症になった後の代理人」を決める制度です。
通帳管理、施設費用の支払い、税金納付。
これらは非常に有効です。
しかし不動産については、
- 売却
- 建て替え
- 大規模修繕
には家庭裁判所の許可が必要になり、
実務ではほぼ動かせなくなります。
つまり、任意後見は
"生活を守る制度"であって、"不動産を動かす制度"ではありません。
4. 家族信託でしか救えない不動産

家族信託は、
**「不動産のハンドルを家族に渡す制度」**です。
これにより、
- 売却
- 賃貸管理
- 建て替え
が、認知症後も止まりません。
特に、
- 賃貸不動産
- 空き家
- 将来共有になる不動産
これらは家族信託でなければ詰むケースが非常に多いのです。
5. 不動産の状況別・ベストな制度

- 自宅だけの場合
→ 遺言 + 任意後見 - 賃貸不動産がある場合
→ 家族信託 - 共有不動産がある場合
→ 家族信託が必須
6. なぜ司法書士の設計が必須なのか

これらの制度は、
すべて「登記」で完成します。
登記を間違えれば、
- 信託が無効
- 遺言が実行できない
- 義務化違反
という最悪の事態になります。
7. よくある質問(FAQ)

Q. まだ元気ですが必要ですか?
A. 元気な今しか使えません。
Q. 3つの制度は併用できますか?
A. 多くのケースで併用が最適です。
Q. 家族信託はお金持ちの制度では?
A. むしろ不動産を持つ一般家庭ほど必要です。
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