①戸籍
戸籍は、被相続人(亡くなった方)と、相続人の関係を証明するために必要な書類となります。この場合、「法定相続情報一覧図」を法務局に事前に申請をして、提出する戸籍の代わりとすることができます。法定相続情報一覧図を使わない場合、戸籍は、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍が必要となります。そして、各相続人の現在の戸籍も必要です。
➁戸籍の附票又は住民票の除票
次に、相続登記前の所有者である被相続人の登記簿上の住所が、現住所と異なる場合、戸籍の附票又は住民票の除票が必要となります。登記官が名義人の本人かどうかの判断を氏名と「住所」で特定しているためです。
③相続登記後に名義人となる相続人の住民票の写し
当該不動産を遺産分割協議により受け継ぐ場合に、名義人となる相続人の住民票の写しが必要となります。
④遺産分割協議書と印鑑証明書
遺産分割協議により、名義人を指定した場合には、遺産分割協議書と遺産分割協議書に相続人全員の署名、実印の押印をした後、印鑑証明書を添付することになります。この印鑑証明書には、期間の制限はありません。
※金融機関などでの手続きには、印鑑証明書に期間制限を設けている場合がありますので、対象の金融機関の窓口にご確認ください。
➄申請書
申請書の書き方につきましては、法務局HPにサンプルがありますので参考にしてみてください。
以上となります。ただし、原本のみを添付した場合には、申請後に添付書類の返却はされません。相続登記以外の申請手続きに原本が必要な場合には、「原本に相違ない旨」の記載と署名・押印した写しを添付することで、「原本還付」を受けることができます。
さらに複雑な相続(数世代にわたり相続登記をしていないなど)登記の申請につきましては、さらに添付書類が増えます。
2.相続登記に係る費用(本人申請の場合)
よく、司法書士にお願いしたら20万円もかかったという話を聞きますが、本当に20万円が司法書士の懐に入るのでしょうか?おそらく、実費を総額から省いていない金額で話をされていると思います。
司法書士に頼まなくてもかかる費用として
①戸籍・住民票・印鑑証明書・固定資産評価証明書などの取得費用
➁登録免許税(不動産の評価額の1000分の4)
があります。不動産の物件数が多い場合には、司法書士の報酬は、20万円ぐらいになる場合がありますが、物件数が少ないと8万円から十数万円程度になると思います。(戸籍等については、ご自身で取得されることが前提)
3.手続きを専門家に任せるという意味
シンプルな相続登記ばかりではありません。法務局に何度も足を運び、添付書類を一つ一つ確認して、申請する時間がある方は、ご自身で申請されてもいいともうのですが、複雑な相続登記となると、なかなか困難になってきます。また、イレギュラーな相続登記も存在します。そんな時、専門家に任せるという選択肢もあると思います。
私が受任した相続登記に関しましても、1か月要する案件もありましたので、これを個人で実施するとなると、それなりに期間を要することになってしまうと思います。
一生のうちで、何度もあるものではありません。専門家に任せるという選択もありかと思います。