成年後見を使えば自由にできる?司法書士が警鐘する「大きな誤解」と本当の役割【2026年版】

2026年01月19日

「認知症になったら成年後見を使えば大丈夫」
「後見人がいれば、財産は自由に動かせる」

これは 非常に多い誤解 です。

結論から言うと、成年後見制度は"自由にできる制度"ではありません。
むしろ、自由を制限するための制度であり、
使い方を誤ると「思っていた生前対策と違う…」と後悔するケースもあります。

目次

  1. 成年後見制度とは?本来の目的
  2. ❌ 誤解「成年後見を使えば自由にできる」
  3. 成年後見で"できないこと"
  4. 実務でよくある勘違いと失敗例
  5. 成年後見が向いているケース
  6. 成年後見が向かないケース
  7. 生前対策として本当に大切な考え方
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|成年後見は「最後の安全装置」
  10. 無料相談会のご案内

1. 成年後見制度とは?本来の目的

成年後見制度とは、
判断能力が低下した人を「保護」するための制度です。

ポイントはここです。

👉 本人を守る制度であって、家族を楽にする制度ではない

この前提を知らずに使うと、
「こんなはずじゃなかった」と感じることになります。

2. 誤解「成年後見を使えば自由にできる」

よくあるイメージは次のようなものです。

  • 後見人がいれば不動産を売れる
  • 家族が自由にお金を使える
  • 相続対策も柔軟にできる

👉 これはすべて誤解です。

成年後見制度の基本原則は
「現状維持」と「本人利益の最大化」

つまり、
積極的な財産処分や節税行為は原則NG です。※原則裁判所の関与があります。

3. 成年後見で「できないこと」

相続対策目的の贈与・節税

  • 生前贈与
  • 相続税対策のための不動産売却
  • 推定相続人への財産移転

👉 ほぼ認められません。

家庭裁判所は
「相続人のための行為」を厳しくチェックします。

家族の判断で自由に使うこと

後見人が親族でも、

  • 大きな支出
  • 不動産売却
  • 資産の組み替え

には 家庭裁判所の許可 が必要な場合が多くあります。

👉 「すぐ動けない」「手続きが重い」
これが実務上の現実です。

柔軟な意思反映

成年後見では、

  • 本人の「過去の希望」
  • 家族の思い

よりも、
法律上の安全性 が優先されます。

👉 「本人ならこうしたはず」は通りません。

4. 実務でよくある勘違いと失敗例

✔ 認知症後に成年後見申立
→ 不動産売却に時間がかかる
→ 空き家が放置状態

✔ 家族後見人なら自由と思っていた
→ 裁判所への報告・制限が多い
→ 精神的・事務的負担が大きい

✔ 相続対策目的で後見を利用
→ すべて却下

👉 成年後見は「便利な道具」ではありません。

5. 成年後見が向いているケース

成年後見が有効なのは、次のような場合です。

  • すでに判断能力が低下している
  • 財産を「守る」ことが最優先
  • 不正利用を防ぎたい
  • 他に選択肢がない

👉 守りの制度としては非常に優秀 です。

6. 成年後見が向かないケース

逆に、次のような方は注意が必要です。

  • 元気なうちに柔軟な対策をしたい
  • 不動産の活用・売却を考えている
  • 子どもにある程度任せたい
  • 将来の選択肢を広く残したい

👉 この場合、
任意後見・家族信託・財産管理契約
などの検討が重要です。

7. 生前対策として本当に大切な考え方

実務での結論は明確です。

✔ 成年後見は「最後の安全装置」
✔ 先にできる対策を先にやる
✔ 元気なうちの選択肢が最も自由

👉
「認知症になってから」では遅いことが多い
これが司法書士としての実感です。


8. よくある質問(FAQ)

Q. 家族が後見人なら自由ですか?
A. いいえ。家族後見人でも制限は同じです。

Q. 成年後見をやめることはできますか?
A. 原則、本人死亡まで続きます。

Q. 途中から別の制度に切り替えられますか?
A. 原則できません。


9. まとめ|成年後見は「最後の安全装置」

成年後見制度は、

  • 万能ではない
  • 自由な制度ではない
  • 守りに特化した制度

👉 だからこそ、生前対策は「順番」が重要 です。


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