上記の通り「相続放棄」という制度を利用した場合、相続人ではなくなるため、その相続で発生した権利義務共に負わなくてもよくなります。「借金が多い」という場合であれば、相続財産と比較して、「相続放棄」又は「限定承認」という手続きを選択することができますが、「負動産」の場合、価格がついていなくても、財産と扱われます。同じ財産で金は欲しいが不動産はいらないというわけにはいかないんですよね。相談者の中の多くは、ネットなんかで調べていて「できない」ことを知ったうえで相談してくるケースがすごく多いです。
結局、負動産を抱えて相続する場合には、周りにもらってくれる方がいた場合には贈与を検討する。しかし、周りも同じように過疎化が進んでいて、高齢化している状態では、「空き家」化してしまうこととなり、そうなってくると「相続土地国庫帰属制度」を検討するしかなくなってきます。勿論「相続土地国庫帰属制度」の対象は土地となりますので、建物を取り壊したり、引き取ってくれるような状態にできるのか考える必要があります。当然ですが、その分のコストも発生します。だって、国に管理してもらうのに「タダで」というわけにはいきませんからね。
3.結局、相続放棄という制度を使うと
相続放棄という制度を利用すると、当該相続において、初めから相続人ではないとみなされますので、相続で発生した財産も受け取る権利は亡くなってしまいます。いくら現預金をたくさん持っていても、相続放棄をしてしまいますと、それを受け取る権利は、無くなります。
結局、現金預金だけもらって負動産を無視することはできません。そして相続放棄という選択肢も使えなくなります。現金預金を使った段階で、相続財産を処分したということで、相続放棄をすることはできなくなります。また、一度、相続放棄を認められていても、相続財産の処分により「法定単純承認(相続人であることを認めた)」したことになり、承認された相続放棄は取り消されることになります。
アイリスでは、相続関連(相続登記だけでなくその生前対策も)の無料相談を随時受け付けております。いろいろとお話を聞くために、あえて時間設定は設けておりません。ただし、予約優先となりますので、必ず事前にお電話で予約をしてください。手続きが発生するまでは、相談の費用は掛かりません。(登記の方法を教えてほしい等、ノウハウを相談事項とする方は、ご遠慮ください)