相続放棄 手続きと認められない場合

2023年08月14日

相続放棄の手続きができる期間は、相続放棄を申述しようとする相続人が、相続開始及び自分が相続人で財産を相続できることを知ったときから3か月以内となっています。申述すればすべて受理されるわけではなく、審査の過程で「法定単純承認」行為をしていた場合など見つければ、却下される場合もあります。多額の借金を相続する場合には、「相続放棄」をすればいいですが、その要件をクリアしなければなりません。要件・却下事由などについて解説していきます。

目次

1.相続放棄の手続き

2.回答書の内容で相続放棄が認められない可能性があるもの

3.まとめ


1.相続放棄の手続き

 相続放棄する場合の手続きは、以下のような流れになります。

 ①相続財産の確認

  まずは、相続財産を確認します。相続人が複数いる場合には、相続財産を相続分に応じて分割することになります。

 ➁相続放棄の意思表示

  相続人は、相続財産を受け取ることを放棄する旨の意思表示をする必要があります。この際には、相続開始から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の届出を提出する必要があります。

 ③相続放棄届の作成

  相続放棄の届出は、専用の相続放棄届という書類を作成します。相続放棄届には、相続人の氏名・住所・生年月日、相続財産の内容などを記載する必要があります。

 ④証明書の提出

  相続放棄をする場合には、相続人の印鑑証明書や個人番号カード(マイナンバーカード)などの身分証明書類を提出する必要があります。

 ➄家庭裁判所への提出

  相続放棄届と身分証明書類を揃えた上で、家庭裁判所に提出します。提出後、家庭裁判所は相続放棄の効力があるかどうかを判断し、結果を通知してきます。

2.回答書の内容で相続放棄が認められない可能性があるもの

 相続放棄の回答書には、相続放棄の旨が明確に記載されている必要があります。また、回答書に記載された内容によっては、相続放棄ができなくなる場合があります。

 以下は、相続放棄の回答書の内容で相続放棄ができなくなるものの例です。

3.まとめ

 以上のように、相続放棄の回答書には、相続放棄の旨が明確に記載されている必要があります。標準的な家庭裁判所とのやり取りは、書面で行いますが、回答書の内容によっては出頭を命じられることがあります。そして、最悪の場合、相続放棄が無効となる場合があるため、内容については十分に注意する必要があります。

 相続放棄には、手続きに関する細かいルールがあり、手続きに失敗すると、相続財産を受け取ることになってしまう場合があります。相続放棄を考える場合には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

最新のブログ記事

令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

相続対策において、生前に財産を贈与するか、相続時に一括して相続させるかは重要な選択です。税理士の先生が相談会で話された内容を基に、相続時の税率と生前贈与にかかる贈与税の税率を比較することで、新たな視点を得ました。特に、数億円規模の財産を持つ場合、生前贈与を活用することがどのように相続対策に寄与するかについて考察します。

相続登記の際、遺産分割協議書は非常に重要な書類となります。しかし、時折相談者から「やってもいない遺産分割協議についての協議書が送られてきた」といった疑問や不安の声が寄せられることがあります。このような場合、法令に違反している可能性もありますが、協議の認識に誤解がある場合も少なくありません。本稿では、遺産分割協議書が郵送された場合の対応方法や注意すべき点について、実際の事例を交えながら解説します。

相続が発生した際、遺産をどのように分割するかを決定するために、相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議書は、その合意内容を正式に書面で残すものであり、特に不動産の相続登記を行う際に必須の書類となります。しかし、この協議書の内容が不備であったり、相続人全員の同意が得られていない場合、後々のトラブルを招くことがあります。本稿では、遺産分割協議書を作成する際に注意すべき点について詳しく解説し、トラブルを未然に防ぐための対策を考察します。

<