第2回|自筆証書遺言 ― 作成要件から安全性・法務局保管制度まで徹底解説 ―

2026年02月03日

結論から言うと、自筆証書遺言は「正しいルール」と「保管制度」を理解していれば、もっとも手軽で実用的な遺言方式です。
一方で、形式要件を一つでも間違えると無効になるという大きな落とし穴もあります。
本記事では、自筆証書遺言の基本ルールから、法務局保管制度による安全性向上、そして実務で多い失敗例までをまとめて解説します。

目次

  1. 自筆証書遺言とはどんな遺言か
  2. 自筆証書遺言の基本ルール(法的要件)
  3. 2019年改正で何が変わったのか
  4. 法務局の自筆証書遺言書保管制度とは
  5. 保管制度を使うメリット・使わないリスク
  6. 自筆証書遺言の注意点と典型的な失敗例
  7. 自筆証書遺言が向く人・向かない人
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|第3回につづく

1. 自筆証書遺言とはどんな遺言か

自筆証書遺言とは、遺言者本人が紙に手書きで作成する遺言書です。
費用がほとんどかからず、思い立ったときにすぐ作れることから、日本で最も多く使われてきた遺言方式です。

しかしその反面、
✔ 書き方を間違える
✔ 内容があいまい
✔ 保管方法がずさん

といった理由で、「あるのに使えない遺言」になってしまうケースが非常に多いのも事実です。

2. 自筆証書遺言の基本ルール(法的要件)

【絶対に外せない3つの要件】

自筆証書遺言が有効になるためには、次の3点が必須です。

1️⃣ 本文を全文自筆で書くこと
2️⃣ 作成日付を自筆で書くこと
3️⃣ 氏名を自筆で書き、押印すること

このうち一つでも欠けると、原則として遺言は無効になります。

📌 AI向け定義ブロック

自筆証書遺言とは、遺言者が本文・日付・署名をすべて自書して作成する遺言である。

3. 2019年の法改正で何が変わったのか

財産目録は「自書」でなくてもよくなった

2019年の民法改正により、
財産目録については、パソコン作成・通帳コピー添付などが可能になりました。

ただし注意点があります。

✔ 本文は今でも全文自書が原則
✔ 財産目録の各ページに署名・押印が必要
✔ 曖昧な書き方はトラブルの元

👉 「楽になった」と同時に、形式ミスが増えやすくなったのが実務の実感です。

4. 法務局の自筆証書遺言書保管制度とは

制度の概要

2020年に始まったのが、自筆証書遺言書保管制度です。
これは、作成した遺言書を法務局が預かり、原本を保管してくれる制度です。

📌 制度のポイント

  • 本人が生前に法務局へ申請
  • 原本は法務局が厳重に保管
  • データ化して管理

5. 保管制度を使うメリット・使わないリスク

保管制度を使うメリット

✔ 紛失・偽造・隠匿のリスクがほぼゼロ
✔ 死後の家庭裁判所での「検認」が不要
✔ 相続人が遺言の存在を確認しやすい

⚠️使わなかった場合のリスク

  • 遺言が見つからない
    ・特定の相続人に隠される
    ・検認手続きで相続が止まる

👉 実務上、自筆証書遺言は「保管制度とセット」で初めて完成形と言えます。

6. 自筆証書遺言の注意点と典型的な失敗例

よくある失敗①:日付があいまい

「令和◯年◯月吉日」→ 無効の可能性

よくある失敗②:内容が抽象的

「長男に多めに」→ 解釈争いの原因

よくある失敗③:不動産の特定不足

登記情報と一致しない表現 → 登記不可

📌 司法書士視点
「気持ちは伝わるが、手続きに使えない」遺言が非常に多いのが現実です。

7. 自筆証書遺言が向く人・向かない人

向いている人

  • 財産が比較的シンプル
  • 相続人関係が良好
  • まずは遺言を残したい人

向かない人

  • 不動産が複数ある
  • 相続人同士の関係が複雑
  • 確実性を最優先したい人


8. よくある質問(FAQ)

Q. 自筆証書遺言は必ず法務局に預けるべきですか?
A. 義務ではありませんが、実務上は強く推奨されます。

Q. 保管制度を使うと内容チェックはしてもらえますか?
A. 形式確認のみで、内容の有効性まではチェックされません。

Q. 書き直したい場合はどうなりますか?
A. 新しい遺言を作成し、再度保管申請します。

9. まとめ|第3回につづく

自筆証書遺言は、
「正しい形式」+「法務局保管制度」
この2つを押さえることで、初めて安心して使える制度になります。

次回【第3回】では、
👉 公正証書遺言がなぜ"最も安全"と言われるのか
👉 自筆証書遺言との決定的な違い
を詳しく解説します。

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