第3回:香川県で考える生前対策|子どもが県外にいる家庭の相続準備 ― 地元に残る土地どうする?

2025年11月12日

子どもが県外に出て暮らしている──香川県では今や珍しくない家族構成です。
しかし「親が亡くなった後、地元の土地や家をどうするか」で悩むご家庭は少なくありません。
この記事では、司法書士の視点から、県外の子ども世帯が"困らない相続準備"をわかりやすく解説します。

【目次】

  1. 子どもが県外に住む家庭で起こりやすい「相続の落とし穴」
  2. 地元の土地・空き家問題が深刻化する理由
  3. 香川県で実際にあった"相続後に動けない"ケース
  4. 認知症・登記義務化・相続放棄──放置のリスク
  5. 生前対策でできる「土地の整理と資金の準備」
  6. 家族が離れていてもできる3つの準備
  7. まとめ──"地元の財産"を「残す」か「整理するか」

1. 子どもが県外に住む家庭で起こりやすい「相続の落とし穴」

 香川県では近年、「子どもが関西や関東に就職して戻らない」という家庭が増えています。
このとき、親が亡くなったあとに必ず問題になるのが**"地元の不動産"**です。

 県外に住む子どもにとって、香川県内の土地や空き家は「すぐに使わない資産」でありながら、固定資産税や管理負担がかかる"負動産"にもなりかねません。

実際、

  • 「空き家をどう処分すればいいかわからない」
  • 「遠方で売却の立ち会いができない」
  • 「兄弟間で意見が合わない」
    といった相談が、司法書士事務所にも数多く寄せられています。

2. 地元の土地・空き家問題が深刻化する理由

 香川県は全国的に見ても持ち家率が高く、空き家率も上昇傾向です。
 特に三豊市・観音寺市・坂出市などでは、親の住まいが空き家になっても「解体費や登記費が負担」として放置されるケースが増えています。

 しかし、放置しておくと以下のようなリスクが発生します:

  • 雑草・老朽化による近隣トラブル
  • 固定資産税や維持費の継続的な負担
  • 相続登記義務化(2024年4月施行)への未対応で過料の対象

 こうした状況を防ぐためにも、生前の段階で「残すか・整理するか」を明確に決めておくことが重要です。

3. 香川県で実際にあった"相続後に動けない"ケース

 司法書士が関わった事例を一つ紹介します。

 香川県内で一人暮らしをしていた母親が亡くなり、相続人の子どもは大阪に在住。
実家は築40年以上で、土地は母親名義のまま。
相続手続きを後回しにしていた結果、草木が伸び、近隣から苦情が寄せられた。

 結果として、相続登記・固定資産税の支払い・売却まで約2年を要しました。
県外在住のため、書類の郵送・実印のやり取り・印鑑証明の取得などに時間がかかり、費用も想定以上に膨らんだのです。

 このようなトラブルを防ぐためには、相続発生時の段階で整理を始めることが不可欠です。

4. 認知症・登記義務化・相続放棄──放置のリスク

 親が元気なうちは問題ありませんが、認知症を発症すると不動産の売却・名義変更が一切できなくなります。
 成年後見制度を使う場合も、裁判所の監督下に置かれるため、売却や契約に時間と制約が生じます。

 さらに、2024年からは相続登記の義務化がスタート。
相続発生から3年以内に登記しないと、最大10万円の過料が科される可能性があります。

 「後でやろう」が通用しない時代です。
 だからこそ、親が元気なうちに、子どもと一緒に財産の整理・登記・現金化の方針を話し合っておく必要があります。

5. 生前対策でできる「土地の整理と資金の準備」

 地元の土地や建物をどうするかを決める際は、3つの視点で考えるのがおすすめです。

(1)使う予定があるか?

→ 将来帰る・活用する可能性がある場合は、名義を整理し維持管理計画を立てる

(2)維持コストを払えるか?

→ 固定資産税・修繕費などが重荷なら、早めの売却・賃貸・寄付などを検討

(3)売却資金をどう管理するか?

→ 預貯金に換えた場合、定期預金よりも普通預金にしておくことを推奨
定期預金は本人しか解約できませんが、普通預金なら代理カードで引き出せる場合もあり、
万一の時に家族がすぐに資金を使える柔軟性があります。

 香川県では、地域金融機関(百十四銀行・香川銀行など)でも高齢者の資産管理サポートを行っているため、
 司法書士・銀行・不動産業者が連携して「実際に動かせるお金と資産のバランス」を整えるのが理想です。

6. 家族が離れていてもできる3つの準備

 県外の子どもが多忙でも、以下の3つを押さえるだけで生前対策がスムーズになります。

  1. 不動産・預貯金の一覧を共有
     どこに、何があるかを紙やエンディングノートにまとめておく。
  2. 代理権・後見契約を公正証書で整備
     将来の判断力低下に備え、任意後見契約や家族信託を準備。
  3. 地元の司法書士・行政書士と連携
     遠方でもオンライン相談を利用し、登記や契約の代理手続きを進める。

 香川県ではZoomを利用した生前対策相談が増えており、県外からの相続準備も比較的スムーズに進められます。

7. まとめ──"地元の財産"を「残す」か「整理するか」

 香川県に残る土地・家・田畑──それらは思い出の場所でもありますが、放置すれば"負担"に変わります。
 子どもが県外にいるご家庭ほど、早めの話し合いと整理が大切です。

 不動産・預貯金・名義・登記。
これらを「動かせるうちに動かす」ことで、家族に安心と選択肢を残せます。
司法書士は、そのサポート役として最適な制度設計を提案いたします。

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相続登記義務化

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「香川県 生前対策」で検索される方の多くは、相続登記の義務化や空き家問題に不安を感じています。本記事では、香川県の地域特性に即した生前対策を司法書士が解説。高松市・丸亀市などの実例や最新制度、よくある質問までを網羅し、失敗しない相続準備をサポートします。

香川県で定年を迎え、「そろそろ相続や終活を考えたい」と思い始めた方へ。生前対策は"相続税の節約"だけではなく、"家族が迷わない仕組みづくり"です。司法書士として多くの相談を受けてきた経験から、香川県で実際に起こりやすい相続トラブルと、60代から取り組むべき5つの具体策を解説します。

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