相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
第4回:年末こそ本気で考える「空き家リスク」と対策 —— 売却・賃貸を妨げる“名義の壁”を年内に解消する

年末の帰省は、実家が「空き家予備軍」になっていないかを見直す絶好のタイミングです。相続登記を放置したままだと、売却・賃貸・管理のすべてが滞り、所有者不明土地の入口に立ってしまいます。本記事では、司法書士が実家の空き家リスクと、年末に確認すべき"名義の壁"の正体を解説します。
目次
- 実家が「空き家予備軍」になっている家庭が増えている
- 年末に見直すべき"空き家リスク"の本質
- 売却・賃貸を妨げる最大の障害は「名義が古いまま」
- 実家が空き家化した場合の4つの深刻な問題
- 年末帰省で家族ができるチェックポイント
- 名義整備(相続登記)が進むと選択肢が一気に広がる
- 司法書士が解決をサポートできること
- まとめ
1.実家が「空き家予備軍」になっている家庭が増えている

全国的に空き家が増えている中で、
司法書士として現場を見ていて感じるのは、
「今は住んでいるが、数年以内に空き家になる可能性が高い」
という"空き家予備軍"の家庭が非常に多いという現実です。
特に香川県では、
- 親が高齢のまま一人暮らし
- 子どもが県外在住で管理が難しい
- 過去の相続登記を放置したまま
- 実家の維持費だけが増えていく
こうしたケースが珍しくありません。
年末は、この「予備軍」から脱却できる数少ないタイミングです。
2.年末に見直すべき"空き家リスク"の本質

空き家のリスクは、
「誰も住んでいない」ことだけではありません。
最も深刻なのは、
名義の問題が手つかずのまま残っている状態
です。
名義が整理されていないと、
- 売りたいのに売れない
- 貸したいのに貸せない
- 解体したくても手続が進まない
といった事態が必ず発生します。
つまり、空き家問題の根っこの部分には、
**"名義の壁(相続登記未了)"**があるのです。
3.売却・賃貸を妨げる最大の障害は「名義が古いまま」

実家を売却・賃貸に出すために、
一番最初に必要なのは「名義の整備」です。
名義が古いままだと——
● 売却の場合
- 法務局で登記が通らない
- 買主がローンを組めない
- 契約書の相手方を確定できない
- 仲介会社が取扱いを断る
結果、
「売れるはずの実家が、売れない資産」
になってしまいます。
● 賃貸の場合
- 管理会社が契約できない
- 敷金返還・修繕の責任が曖昧
- 税務処理が複雑化
- 入居者とのトラブルリスク上昇
いずれも、
相続登記を済ませるだけで解決する問題です。
4.実家が空き家化した場合の4つの深刻な問題

① 建物の劣化が急速に進む
誰も住まなくなると、
- カビ
- 雨漏り
- 白アリ
- 給排水管の腐食
といった劣化が一気に進みます。
② 近隣トラブルの発生
- 草木の越境
- 不法投棄
- 侵入者
など、管理不全によるクレームが増えます。
③ 固定資産税が延々と発生
利用していなくても税負担は続きます。
「使っていないのに払い続ける」という状況が続きます。
④ 最終的に"負動産化"し、解体費用(数百万円~)が必要に
売れない・貸せないまま放置すると、
最終的に家族が解体を決断せざるを得なくなり、
大きな負担が発生します。
5.年末帰省で家族ができるチェックポイント

□ 実家の状態
- 雨漏りやひび割れはないか
- 長期間使われていない部屋がある
- 不在時の管理方法を決めているか
□ 名義の確認
- 固定資産税の通知書の名義は誰か
- 登記事項証明書の取得履歴があるか
- 父母・祖父母名義のまま残っていないか
□ 家族の話し合い
- 実家をどうするかの方向性(売却・賃貸・保有)
- 相続人間の連絡手段
- 相続登記の依頼先を決める
年末は家族で話し合う絶好のチャンスです。
6.名義整備(相続登記)が進むと選択肢が一気に広がる

相続登記を進めて名義が整うと、
次のように可能性が広がります。
● 売却の選択肢が生まれる
→ 不動産会社が動ける状態になる。
● 賃貸として活用できる
→ 空き家の維持費を賄う収入源になる。
● 空き家バンク・補助制度の活用
→ 地方自治体の支援制度を利用しやすくなる。
● 解体・土地活用もスムーズ
→ すべて名義が整えば、金融機関や施工業者との手続が簡単に。
**相続登記は「家族の選択肢を広げる行為」**です。
7.司法書士が解決をサポートできること

- 相続人調査
- 戸籍収集代行
- 相続関係説明図の作成
- 遺産分割の進め方の助言
- 空き家を売却する際の必要手続の整理
- 名義放置のリスク診断
- 過去の相続が積み残されたケースの整理
※争いがある場合は、弁護士の対応となります。
年末に整理が進めば、
年明けにスムーズな手続が可能になります。
8.まとめ
- 実家は「空き家予備軍」になっていないか
- 問題の本質は"名義を放置していること"
- 売却・賃貸は名義が整わないと不可能
- 空き家になると劣化・費用・近隣トラブルのリスク
- 年末の帰省が確認のチャンス
- 相続登記を済ませれば選択肢が広がる
年末こそ、実家と名義の状況を真剣に見直すタイミングです。

(無料相談会のご案内)
相続登記・空き家リスク・名義未整備でお困りの方へ。
アイリス国際司法書士・行政書士事務所では、無料相談を随時受付中です。
- 「実家が空き家になりそう」
- 「名義が古いままで不安」
- 「売却・賃貸を見据えて整理したい」
こうしたお悩みは、早く取り組むほど負担を減らせます。
香川県全域・オンライン相談にも対応しています。


最新のブログ記事
「山に土地があるらしいけど、どこか分からない」
「畑を相続したけど、境界がはっきりしない」――。
観音寺市や三豊市では、こうした"農地・山林の相続"の相談が年々増えています。実はこのタイプの不動産は、登記の前に「土地を特定できない」という問題にぶつかることも少なくありません。放置すればするほど手続きは困難になります。今回は、地域特有のトラブル事例と、生前にできる備えを解説します。
【なぜ成功者は叩かれるのか】森岡毅氏の炎上から考える“失敗できない社会”の危険性と本当の成長戦略
「なぜ成功している人ほど叩かれるのか?」
マーケターとして著名な森岡毅氏の事例を見て、そう感じた方も多いのではないでしょうか。
綾川町・さぬき市の相続登記|義務化で「今さら登記」が急増中?間に合わなくなる前の生前対策とは
「相続登記が義務化されたと聞いて慌てて来ました」――。
綾川町やさぬき市、東かがわ市では、こうした"駆け込み相談"が急増しています。しかし実際には、相続人が認知症になっていたり、連絡が取れなかったりして、手続きそのものが進められないケースも少なくありません。相続登記は「後でやろう」では間に合わない時代です。今回は、現場で増えている実例とともに、生前にできる具体的な備えを解説します。


