〖香川県・徳島県の生前対策〗親の認知症で銀行口座が凍結?香川・徳島で「資産凍結」を防ぐための生前対策と対処法

2025年12月23日

「親が認知症になり、介護費用が必要なのに親の口座からお金が下ろせない」 「実家を売却して施設入居費に充てたいが、本人の意思確認ができず売買が進まない」

香川県や徳島県にお住まいの皆様から、このような切実なご相談が急増しています。現在、日本では「認知症による資産凍結」が社会問題となっており、その凍結資産額は将来的に200兆円に達するとも言われています。

相続発生後の「遺産分割」については、法改正により法定相続分の3分の1又は150万円の低い方の払い戻しが可能になるなどの救済措置ができました。しかし、「本人が存命中の認知症による凍結」には、そのような自動的な救済措置はありません。

本記事では、何の対策もせずに認知症になってしまった場合に起こること、そして今まだ「親が元気なうち」にできる具体的な防衛策について、地元香川・徳島の事情に詳しい専門家が徹底解説します。

目次

  1. 「認知症による資産凍結」の恐ろしい現実
  2. 法改正による「預貯金払戻制度」は認知症には使えない?
  3. まだ元気な今すぐできる「3つの簡易対策」
  4. 抜本的な解決策「家族信託」と「任意後見」の違い
  5. 【地域別】香川・徳島の手続き相談先リスト
  6. よくある質問(FAQ):認知症と資産管理
  7. まとめ:手遅れになる前に相談を

1. 「認知症による資産凍結」の恐ろしい現実

 銀行などの金融機関は、預金者の認知能力が著しく低下した(意思能力がない)と判断すると、その口座を「凍結」します。これは、本人以外の第三者(たとえ配偶者や子供であっても)が勝手に資産を引き出し、横領や悪用をするのを防ぐための「本人の権利保護」が目的です。

 しかし、家族にとってはこれが大きな障壁となります。

  • 介護費用の立て替え: 本人の年金や貯蓄が使えないため、子供世代が自分たちの生活費を削って介護費用を捻出しなければならなくなります。
  • 不動産の塩漬け: 実家が空き家になっても、本人が認知症であれば売却できません。固定資産税や管理費だけが家族に重くのしかかります。
  • 契約の更新不可: 老人ホームへの入居契約や、自宅のリフォーム契約などもできなくなる恐れがあります。

2. 法改正による「預貯金払戻制度」は認知症には使えない?

 2019年の民法改正により、相続発生後(本人が亡くなった後)であれば、遺産分割協議が終わる前でも「仮払い」として一定額(法定相続分の3分の1、又は150万円のどちらか低い方)を銀行から引き出せるようになりました。

 しかし、注意しなければならないのは、この制度は「本人が亡くなった後」の制度であり、存命中の「認知症対策」には一切使えないという点です。

 存命中に認知症で口座が止まった場合、法的手段としては「成年後見制度」を利用するしかありません。しかし、成年後見制度は家庭裁判所が関与するため、毎月の報告義務が発生したり、柔軟な資産運用ができなくなったりと、家族にとって負担が大きいケースも少なくありません。だからこそ、「認知症になる前」の対策が極めて重要なのです。

3. まだ元気な今すぐできる「3つの簡易対策」

 親御さんにまだ判断能力がある(会話がしっかり成立する)状態であれば、今すぐ以下の対策を検討してください。

代理カード(代理人指名)制度の活用

 多くの銀行(地域の地銀を含む)では、本人の代理として家族が引き出しできる「代理人カード」の発行や、あらかじめ代理人を指定しておく制度があります。 ※ただし、これも「本人の判断能力があること」が前提です。また、事前に代理カードの仕組みがあるかどうかの確認もしてください。

定期預金の解約と普通預金への集約

 定期預金は、解約時に本人の意思確認が厳格に行われます。認知症が進むと、たとえ家族であっても定期預金の解約はほぼ不可能です。元気なうちに、当面の生活費や介護費に充てる分は、キャッシュカードで出し入れしやすい普通預金へ移しておくべきです。

ネットバンキングの整理

 香川・徳島でもネット銀行を利用する方が増えていますが、IDやパスワードを本人が忘れてしまい、かつ認知症で再発行の手続きもできなくなると、資産は完全に闇に葬られます。紙のエンディングノートに情報を集約させておく必要があります。

4. 抜本的な解決策「家族信託」と「任意後見」の違い

 簡易的な対策だけでは、大きな不動産の売却や継続的な資産管理には不十分です。そこで検討したいのが以下の2つです。

  • 家族信託(民事信託): 元気なうちに、親の財産(実家や預金の一部)を管理する権限を子供に託す契約です。親が認知症になっても、子供の判断で不動産を売ったり、預金を下ろして介護費に充てたりできます。裁判所の監督がないため、家族内で柔軟に運用できるのが最大のメリットです。
  • 任意後見制度: あらかじめ「自分が認知症になったら、この人に後見人になってほしい」と契約しておく公的な制度です。家族信託に比べて「身上監護(介護・入所契約などの法的手続き)」に強いという特徴があります。

 アイリスでは、香川・徳島の地域性やご家族の状況に合わせて、これらを組み合わせたオーダーメイドの対策をご提案しています。

5. 【地域別】香川・徳島の手続き相談先リスト

 資産凍結対策や認知症によるトラブル相談は、以下の窓口が一般的です。

  • 香川県内
    • 高松市・丸亀市などの地域包括支援センター: 高齢者の生活全般の相談窓口です。
    • 高松家庭裁判所(本庁・丸亀支部など): 成年後見の申し立てを行う場所です。
    • 高松公証役場・丸亀公証役場: 家族信託や任意後見の契約書を作成します。
  • 徳島県内
    • 徳島市・鳴門市などの地域包括支援センター: 介護保険と合わせた相談が可能です。
    • 徳島家庭裁判所: 後見申し立ての管轄です。
    • 徳島公証役場・鳴門公証役場: 公正証書遺言や任意後見契約の作成場所です。

 これら公的機関は「手続き」をする場所であり、「どの対策が最適か」という戦略を練る場所ではありません。 失敗しないためには、まずは司法書士などの専門家へ相談することをお勧めします。


6. よくある質問(FAQ):認知症と資産管理

Q1. 親が認知症になってから「家族信託」はできますか?

A1. 残念ながら、重度の認知症になってからでは契約できません。 家族信託は「契約」ですので、本人が内容を理解し、署名・捺印する能力が必要です。医師から認知症の診断が下りていても、軽度で判断能力があると認められれば可能な場合もありますが、時間との勝負になります。

Q2. 介護費用が足りない場合、子供の委任状があれば親の口座から下ろせますか?

A2. 本人に意識がない、または判断能力がない状態での委任状は無効です。 銀行が本人の認知症を把握している場合、窓口で委任状を出しても拒否されます。無理に引き出すと、後に他の親族(兄弟など)から「勝手に使い込んだ」と訴えられるリスクもあります。

Q3. 実家を売って親の老人ホーム代にしたいのですが、本人が認知症です。どうすれば?

A3. 原則として「成年後見人」を立てる必要があります。 家庭裁判所に申し立てを行い、後見人が選任されれば売却が可能になります。ただし、本人が住んでいる「居住用不動産」の売却には裁判所の許可が別途必要です。

Q4. 徳島に住んでいますが、香川の司法書士に相談できますか?

A4. もちろんです。 当事務所は香川県全域、徳島県(徳島市・鳴門市等)をカバーしています。オンライン(Zoom)での相談や、ご自宅・施設への出張相談も承っておりますので、県境を気にせずご相談ください。

Q5. 150万円までなら引き出せるようになったと聞きましたが、本当ですか?

A5. それは「相続発生後(逝去後)」のルールです。 存命中の認知症による凍結には適用されません。また、この仮払い制度もあくまで「当面の葬儀費用や生活費」のためのものであり、大きな金額を自由に動かせるわけではありません。


7. まとめ:手遅れになる前に相談を

 「資産凍結」は、一度起きてしまうと解決までに多大な時間と費用がかかります。そして何より、介護に直面しているご家族の精神的負担が計り知れません。

 香川・徳島エリアで、親御さんの将来やご自身のご家族の生活を守りたいとお考えの方は、「まだ元気だから大丈夫」と思える今こそ、最初の一歩を踏み出すタイミングです。

 当事務所では、地元の皆様が安心して暮らせるよう、法務・税務の両面から生前対策をサポートしています。まずは無料相談で、現状の不安をお聞かせください。


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アイリスあんしん終活相

琴平町で生前対策を始める際に最も大切なのは、**「何をするか」より「全体をどう理解するか」**です。
生前対策は、遺言・贈与・不動産・相続税といった個別対策の集合体であり、順番や考え方を誤ると、かえって家族に負担を残します。本記事では、専門知識がない方でも理解できるよう、琴平町の実情を踏まえながら、生前対策の全手順を体系的に解説します。

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