「表層心理」と「深層心理」は心理学や心理療法の文脈で使われる用語です。
①表層心理(Surface Psychology):
表層心理は、一般的には外見や明白な行動、意識的な思考や感情など、個人の意識レベルで直接観察される心理的プロセスや現象を指します。感情の表出、言葉での思考、社会的行動などがこれに含まれます。表層心理は、一般には外見や明示的な行動に焦点を当てます。
➁深層心理(Deep Psychology):
深層心理は、個人の潜在意識や無意識に焦点を当てます。これには、フロイトの精神分析理論に基づくような、過去の経験、無意識の欲求、抑圧された感情や願望などが含まれます。深層心理は、個人の行動や感情、思考に影響を与える潜在的な要因を探求します。ここには、記憶の深層構造、心的防衛機制、心的欲求などが含まれます。
要するに、表層心理は直接的に観察可能な心理的プロセスや行動を扱い、深層心理はその背後にある潜在的な心理的要因やプロセスを扱います。両者は相補的であり、心理学的理解の向上において重要な役割を果たします。
とありますが、実は、これらは人間社会の中でも垣間見える瞬間があります。
例えば、今ではありえませんが、私が小学・中学のころ、体罰教師なるものが存在していてましたが、表層審理では「躾のため」と称して殴っていましたが、深層心理では「楽しんでいる」んじゃないと思わざる得ないようなことも実際にありました。
また、昨今ニュースで見る、親の過剰な暴力で子供を死なせる事件なども、これに該当するかもしれませんね。フロイト氏は、「抑圧された無意識(主に性的な内容)」が引き起こしていると説きますが、ユングはこれを否定します。
抑圧された意識だけでなく、その他の意識の深層心理を突き詰めていきますと、「集合的無意識(他者とのつながり)」になるわけです。集合的無意識は、他者と時空を超えて繋がっているらしいです。(ユング氏が言うには)「虫の知らせ」なんかが有名ですよね。
ユング氏の逸話に、自身を無意識のレベルに開放するときに思い浮かぶ図があり、それを少しずつ書いてみたところ、東洋の「曼荼羅」と同じだったというものがあります。これが、集団的無意識の決定打になったともいわれています。片方は大昔のチベットで描かれたもので、ユングは自分が書くまで「曼荼羅」というものを知らなかった。つまり、時空を超えて共有しているわけですよね。この辺の話は、昔本で読んだことがあります。
つまり、表層心理は別々でも、無意識の深層心理では、皆人はつながっているということです。面白いですよね。