司法書士って何?とよく聞かれることがあります。それもそのはずです。士業において司法書士の認知度はワースト1だからです。それでは、司法書士って何なのかをお話します。
「司法書士」、この言葉に集約されています。「司法」とは、三権分立で「行政(内閣)」「立法(国会)」「司法(裁判所)」に分かれると皆さん勉強されたと思いますが、この「司法」です。そして、「書」は、書類を作るということです。最後に「士」は国家資格者ということを表しています。つまり、これらをつなげると「裁判所に提出する書類を作成する国家資格者」という意味になります。もともとの成り立ちはこれでいいのですが、その後、法律の変化などにより、その内容は変わっています。
司法書士の主要な業務は、「登記」です。しかし、現在、登記を扱っているのは法務局であり、これは「行政機関」に位置付けられています。上の説明と違いますよね。しかし、戦前は裁判所が登記を管轄していました。ですのでその名残として、司法書士が登記申請代理人としての国家資格者となっているわけです。登記に関しては、申請の代理まで可能ですが、裁判所へ提出資する書類については、代書つまり書類を代わって作成する権限しかありません。こちらも、特別研修を受け認定考査に合格した司法書士は、簡裁代理権(訴額140万円以下)について行えるようになっています。この司法書士を「認定司法書士」と呼ばれています。
2.相続手続上どの士業にお願いするのが良いのか
まずは、大前提について、自分のことを自分で行うのは自由です。仮に裁判を起こすにしても、自分で訴状を作成し、裁判で法律の知識を駆使して戦えるなら、自分で行うことは自由なのです。これは、相続登記などについても同じです。わざわざ士業に代理してもらう必要はありません。勿論、失敗した場合は自己責任となりますが。
他人から仕事として受けることができるのは「弁護士のみ」です。
しかし、手続きは何万種類もありその性質も多様です。中には1つの専門分野として成立するレベルのものも存在します。すべてを弁護士に担わせるのは、非現実的です。
そこで、特化した業務について各士業に「職域」として決められました。限られた業務範囲で弁護士以外でも事務を行える資格制度(隣接士業)が定められています。勿論、国家資格です。業界資格などもありますが、その方たちは原則、代理や代書はできません。
(職域の画像)