相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
(論点)相続放棄と遺産放棄の違いについて

相続放棄と遺産放棄の違いは、法的な手続きとその効力に大きな違いがあります。多くの人はこの違いを誤解してしまうことがあり、その結果、法律上のトラブルに巻き込まれることがあります。ここでは、相続放棄と遺産放棄の違いを明確にし、その重要性について説明します。
目次
1.相続放棄とは何か
2.遺産放棄とは何か
3.相続放棄の特徴
4.遺産放棄の特徴
5.まとめ
1.相続放棄とは何か

手続き: 相続放棄は、相続人が家庭裁判所に対して申述し、手続きが認められることで効力が生じます。
効力: 効力が発生すると、その相続人は「初めから相続人ではなかった」ものとみなされ、すべての財産や借金を相続しない立場になります。
第三者への影響: 相続放棄は、債権者や他の相続人を含めた第三者にも効力を持ち、債権者は放棄した相続人に借金の返済を請求できなくなります。
2.遺産放棄とは何か
手続き: 遺産放棄は、相続人間での遺産分割協議に基づいて、ある相続人が遺産を受け取らないとする意思表示です。遺産放棄には家庭裁判所の関与は必要ありません。
効力: 遺産放棄の場合、財産を放棄しても相続人の地位は維持されるため、借金などの負債を引き継ぐ責任は残ります。
第三者への影響: 遺産放棄は相続人間の内部的な取り決めに過ぎず、債権者などの第三者には効力を及ぼしません。したがって、借金の返済を債権者から求められた場合は拒否できません。
3.相続放棄の特徴

法的効力: 家庭裁判所での正式な手続きを経るため、法的に相続人でなくなります。相続財産も負債も一切関係がなくなります。
手続きの期限: 相続放棄は、相続が発生したことを知ってから3か月以内に申述しなければなりません。期限を過ぎると、相続を承認したとみなされることがあります。
4.遺産放棄の特徴

相続人の地位: 遺産放棄をしても、法律上の相続人の地位は変わりません。そのため、負債を相続する責任は残ります。
相続人間での取り決め: 遺産放棄は、相続人間の協議に基づくものなので、相続人の間での関係に限られ、債権者などの第三者には影響を与えません。
相続放棄と遺産放棄の混同による問題
誤解のリスク: 遺産放棄をしただけで、借金も放棄したと勘違いしてしまう人がいます。家庭裁判所の手続きを経ない限り、相続放棄にはならず、債務の返済義務は残るため、特に借金がある場合には注意が必要です。
5.まとめ
相続放棄は家庭裁判所の手続きを経ることで、すべての財産と負債を放棄でき、第三者にも効力が及びます。
遺産放棄は相続人間での合意に基づくものに過ぎず、第三者には効力を持たず、負債の相続からは逃れられません。
相続放棄と遺産放棄の違いをしっかり理解し、正しい手続きを行うことが重要です。
相談業務で、相続放棄と遺産放棄を混同している方を多く見かけます。相続発生時に、専門家への相談を必ず実施するようにしてください。思い込みや、間違った情報で人生台無しになるのは嫌ですよね。近所の方など情報源の方が責任を取ってくれるわけもありませんから。専門家に相談すると、相続の内容から、相続放棄をした方がいいかどうかの判断もしていただけると思います。

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