2.EAJ問題
(東京司法書士会から司法書士連合会への照会)
「日本司法書士連合会 会長 今川 嘉典 様
登録司法書士がEAJ社に対し「システム利用料」を支払うことは、司法書士施行規則26条(依頼誘致の禁止)に違反するおそれのある行為であり、また、司法書士倫理第13条2項(不当誘致等)によりしてはならない行為に該当するものと考えられますが、本件について法令、会則、司法書士倫理の違反又は違反のおそれの有無について、貴連合会の見解を回答していただきたく、照会します。
東京司法書士会 会長 野中政志」
(司法書士連合会からの回答)
「東京司法書士会 会長 野中政志様
司法書士による「システム利用料」の支払いに関する照会について(回答)
令和2年7月 14日付東司発第 109号にて照会のありました標記の件につきましては、下記のとおり回答いたします。
記
株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン(以下「EAJ」という。)に対して司法書士から支払われる「システム利用料」が、司法書士が受託する業務に応じて支払われるものであるなら、その司法書士の行為は貴見のとおりと考えます。当該司法書士は、EAJが介することによって業務の依頼を受けているのであって、EAJに登録していなければ、依頼を受けることがないのであるなら、「システム利用料」は実質的に業務依頼に対する対価と見られるからです。
日本司法書士連合会 常務理事 長田 弘子」(引用)
EAJに登録していた司法書士は懲戒されたそうです。
法に携わる者が、法令違反をしたのでは話になりません。
ただし、グレーなものもたくさんあります。私は、グレーなサービスについては手を出さないように注意しています。
3.「福利厚生」をうたった集客はどうなのか
N社は私のことをしきりに「行政書士の先生」と言っていたので、行政書士ターゲットの営業だと思います。行政書士には、今のところこのような規制はないのですが、司法書士は先に述べた通りあります。ですので、自分が司法書士でもあることを伝えると「先生。行政書士でやればいいじゃないですか。」と言ってきたのできっぱりお断りしました。なぜなら、何か問題があっても責任なんてとる気がないと感じ取れたからです。私は行政書士にも登録はしていますが、司法書士も登録しているわけで、上記見解が出ている以上、絶対に受けません。
M社については、初めに「会社の従業員の福利厚生で・・・・」とさも自身の会社の従業員の話のように説明してきました。すでに「福利厚生」というキーワードに聞き覚えがあったので、「貴社の営業所は香川県にあるのですか?」と尋ねると、東京にしか事務所はないと言いました。そうすると、「福利厚生」という商品を他の会社に提供し、司法書士サイドか依頼者サイドから「対価」を得て専門性のある司法書士業務に司法書士ではない会社が介在するということになります。この構造、まさにEAJと同じではないですか。私は理由を話し受けられないことを話をすると「他の先生方も協力していただいています。」というので「その先生方、懲戒処分になるかもしれませんよ。大丈夫ですか?」というと引きさがりました。邪推するとウソだったのかもしれません。
また、ずいぶん前にアプローチしてきたWEB集客の業者さんから、先日久しぶりに連絡がありました。そこで、自身のHPの順位が上位であり、そこから集客のリサーチをかけてどのくらいの利益が上がっているのかを説明しました。そして彼らに、その「コンバージョン率」と「客単価」を聞いても答えることはできませんでした。私のリサーチ結果より悪かったためか、そもそもデータを取っていなかったのかもしれません。そして、上記の不当誘致の問題についても見解を求めましたが、「わが社ではリーガルチェックをしてまして・・・・」、それ、法律に携わる人間には効力はありませんよ。だって、EAJだってリーガルチェックやってたわけでしょう。その見解を抗弁に会員登録した司法書士たちが使ってたみたいですが、法律に携わる人間が自分で考えることを止めてしまっては、おしまいだと思います。だから、自分の法律の見解を述べて営業をお断りしました。