遺言書があるから相続登記を放置していた
ある相談者の方から、「随分前に亡くなった主人が、自宅土地建物を相続させる遺言書を作ってくれているので、相続登記はしていないのですが、大丈夫ですか?」とのご質問がありました。
別件で打ち合わせの際、世間話をしていた時に、相談者の方から「そういえば、認知症対策って書いてあるけど、具体的には何をするのですか?」とのご質問がありました。私は以下のようにお話をいたしました。
「認知症前ですと、任意後見でお子様に認知症発症時には、ご自身の法律行為を任せる任意後見制度があります。これは公正証書で作成し、認知症発症の際は家庭裁判所に申し立てて任意後見がスタートするわけです。もちろんお子様ですので、報酬等は発生しません。後見監督人が就任した場合には、その方に報酬が発生する場合がありますが。
例えば、ご自身が介護施設や病院に入所・入院したとした場合、お子様が利用料、病院代を支払うのに父親の定期預金を解約しないといけなくなったとき、金融機関は「ご本人でないとだめ」というでしょう。実際私もそのような場面に遭遇したことがあります。たまたま、転院されるときに金融機関の方と私、当事者の配偶者の方が出向いて病院から出てきたところで解約書類にサインをいただきました。大変でしたよ。
このようなときに、任意後見制度を使うとお子様が対応可能になるんです。
また、積極的に財産の運用を任せたい場合(賃貸アパートの管理等)には、家族信託なども有効です。
それでは、何もしないで認知症になった場合、後見制度は使えないのかというとそうではありません。
法定後見制度の利用が可能です。しかし、この制度は家庭裁判所に申し立てをした後、後見人として指定されるのは、必ずしもお子様とは限らないという場合が多いです。弁護士や司法書士がその任に就くことになります。この制度、問題点はいろいろあります。例えば、法定後見制度の後見人の報告義務は、家庭裁判所にはありますが、ご家族にはありません。もちろんトラブルを避けるためにご家族に報告しているケースもありますが、義務ではないんです。そうすると、ご家族の考えと家庭裁判所の考えと異なる場合、トラブルになるというケースが出てくるのです。また、この法定後見人への報酬が発生します。3万円から6万程度になりますが、毎月被後見人の方が亡くなるまで発生します。
そして、何の対策も講じずに認知症を発症してしまうと、法律行為など要する場合には、この法定後見一択になってしまいます。」
相談者の方が、目を丸くして「そんなの知らなかったよ・・・・。皆そんなこと知らないんじゃないかな。」とおっしゃられていました。
後日、任意後見契約を検討するとのことでした。
ある相談者の方から、「随分前に亡くなった主人が、自宅土地建物を相続させる遺言書を作ってくれているので、相続登記はしていないのですが、大丈夫ですか?」とのご質問がありました。
先日、事務所に来訪された相談者の方から「長男にすべての財産を相続させたいが、そうすると遺留分が侵害されるからできないんでしょ?どうすればいい。」とのご質問がありました。
相談者の方からのご質問です。「私は母と離婚した父と何十年も音信不通でしたが、先日、父の債権者と名乗る方から、私が相続人であるとして請求書が届きました。確認すると、父親は1年前に亡くなっていることが判明しました。相続放棄をしたいのですが、亡くなってから3か月経過してしまっていますができるでしょうか。」とのこと。
相談者の方で「相続登記義務化のリスクって、過料だけなんですかね。」とのご質問がありました。