“争う家族”をつくらないために──お金より怖い“感情の相続”

2025年11月18日

相続トラブルは「財産の多い家庭」だけの問題ではありません。実際には、財産が少ない家庭ほど激しい争いに発展することもあります。その背景には、お金そのものではなく「感情のもつれ」があります。本記事では、相続を巡る"見えないリスク"を司法書士の視点から解説します。

目次

  1. 相続トラブルは「金額の大きさ」とは無関係
  2. 家族を分断する"感情の相続"とは何か
  3. 感情のもつれが生まれる典型的な場面
  4. 「公平」と「平等」の違いが火種になる
  5. 実際に起きた"感情の相続"の事例
  6. 感情トラブルを防ぐためにできる生前対策
  7. 遺言書と家族信託の活用ポイント
  8. 司法書士に相談するメリット
  9. まとめ──家族を守る最大の相続対策とは

1. 相続トラブルは「金額の大きさ」とは無関係

 相続争いは「資産家に限った話」と思われがちです。しかし実際には、遺産総額が数百万円から数千万円程度の家庭でこそ、裁判所に持ち込まれるケースが多く見られます。
なぜなら、金額の多少ではなく「納得感」が得られるかどうかが、争いの有無を決めるからです。

2. 家族を分断する"感情の相続"とは何か

 感情の相続とは、財産の分け方そのものよりも「気持ちの不公平感」や「わだかまり」が引き継がれることを指します。
「自分は親の介護をしたのに報われない」
「兄弟の一人だけが優遇されている」
 こうした思いが募り、相続の場面で爆発してしまうのです。結果として、遺産以上に家族の絆が失われてしまうことが最大のリスクです。

3. 感情のもつれが生まれる典型的な場面

 感情トラブルが起きやすいのは、例えば次のような場面です。

  • 介護の負担:長男夫婦が親の介護を担っていたのに、遺産分割は兄弟で平等
  • 生前贈与の偏り:一部の子どもだけが住宅資金援助を受けていた
  • 配偶者の存在:再婚相手や内縁関係の配偶者と子どもが相続人となる
  • 不動産の共有:実家を誰が相続するかで揉める

どのケースも「財産額」ではなく「気持ちの整理」ができていないことに起因します。

4. 「公平」と「平等」の違いが火種になる

 相続では「平等に分ける」ことが必ずしも「公平」とは限りません。
 例えば、介護を担った子どもからすれば「その分を考慮してほしい」と思いますが、法律上の法定相続分は一律です。この「法律上の平等」と「本人の感じる公平感」のギャップが、トラブルの火種となります。

5. 実際に起きた"感情の相続"の事例

 あるご家庭では、母親の介護を長女が10年以上担っていました。しかし遺言もなく母親が亡くなり、法定相続分に従って長男・次女と均等に遺産を分けることに。
 長女は「私はこんなに介護したのに」と強く不満を抱き、兄弟間で絶縁状態となってしまいました。
 財産は数百万円程度と決して多くはありませんでしたが、失われたのは兄弟の絆でした。

6. 感情トラブルを防ぐためにできる生前対策

 こうした事態を防ぐには、生前に「本人の意思」を明確にしておくことが不可欠です。遺言書を活用して、「誰に何をどのように残すか」を具体的に示すことで、家族間の誤解や不満を未然に防げます。

7. 遺言書と家族信託の活用ポイント

  • 遺言書:介護を担った子どもに多めに財産を残す、住み続ける子に不動産を相続させるなど、本人の意思を明文化できる。
  • 家族信託:将来の管理や処分方針を事前に決められる。不動産や事業用資産がある場合に有効。

どちらも「法律上の効力」を伴うため、家族間の話し合いだけに比べてはるかに確実です。

8. 司法書士に相談するメリット

 感情面の調整は家族間だけでは難しいこともあります。司法書士が第三者として関わることで、法律に基づきつつも家族関係に配慮した解決策を提案できます。
「介護を考慮した遺産分割は可能か」
「不動産を誰に残せばトラブルを避けられるか」
といった疑問に、具体的な手続きと制度を踏まえて対応できるのが専門家に相談する最大の利点です。

9. まとめ──家族を守る最大の相続対策とは

相続トラブルの本質は「お金」ではなく「感情」です。だからこそ、生前の準備によって家族の気持ちを整理し、本人の意思を明確にすることが最も重要です。
「争う家族」をつくらないために、いまからできる一歩を踏み出しましょう。

(無料相談会のご案内)

アイリス国際司法書士・行政書士事務所では、ご家族の状況に合わせた相続対策をご提案しています。財産額の大小にかかわらず、「家族が争わないための仕組み」を整えることが大切です。遺言や家族信託について詳しく知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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