相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【2026年版】親が認知症になると、不動産はこうして“凍結”される ― 相続登記義務化時代に起きる本当のリスク ―

「親が元気なうちは、まだ相続のことは考えなくていい」
そう思っている方が非常に多いのですが、実務の現場では認知症になった瞬間に、不動産は"事実上ロックされる"という事態が日常的に起きています。
しかも2024年から始まった相続登記義務化により、「登記できない家」は法律違反のリスクまで背負う時代になりました。
結論から言えば、不動産の相続対策は"認知症になる前"にしかできません。
この記事では、なぜそう言い切れるのかを、法律と現場の両面から解説します。
■ 目次
- 認知症になると、なぜ不動産が動かせなくなるのか
- 「売れない」「貸せない」「登記できない」三重苦
- 家族が直面する"現実の地獄"
- 司法書士が見る「登記の壁」とは
- 相続登記義務化が追い打ちをかける
- 今からできる唯一の回避策
- よくある質問(FAQ)
1. 認知症になると、なぜ不動産が動かせなくなるのか

不動産を売る、貸す、贈与する、名義を変える。
これらはすべて**「本人の意思による法律行為」**です。
ところが、親が認知症になると、
法律上 「本人の判断能力がない」 と扱われるようになります。
すると、たとえ家族であっても、
- 実家を売る
- 名義を変える
- 担保に入れる
といったことが一切できなくなります。
「息子なんだからできるでしょ?」
「娘が代わりにサインすればいいのでは?」
こうした"常識"は、法律の前では通用しません。
2. 「売れない」「貸せない」「登記できない」三重苦

認知症になると不動産はどうなるのか。
実務では、次の"三重苦"に陥ります。
- 売れない
- 貸せない
- 登記できない
つまり、資産なのに、ただの"固定費を生む箱"に変わるのです。
固定資産税、管理費、草刈り、修繕費…。
誰も使えない家に、毎年お金だけがかかっていきます。
3. 家族が直面する"現実の地獄"

実際にあった例です。
高松市で一人暮らしだった80代の母が認知症で施設へ。
空き家になった実家を売って施設費用に充てようとしたが、
すでに母は契約できる状態ではなかった。
家庭裁判所に成年後見を申し立て、
許可が出るまで半年以上。
しかも売却にはさらに裁判所の許可が必要。
結果、
「売れるはずの家が、3年以上動かせない」
という事態になりました。
4. 司法書士が見る「登記の壁」とは

司法書士が現場で最も多く見るのが、
**「名義が動かせない不動産」**です。
- 共有名義
- 昔のままの登記
- 認知症の名義人
この3つが重なると、
相続も売却も、ほぼ詰みます。
5. 相続登記義務化が追い打ちをかける

2024年から、相続登記は義務になりました。
正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の可能性があります。
しかし認知症が絡むと、
そもそも登記したくてもできないケースが続出します。
「義務なのに、できない」
これが今、日本中で起きています。
6. 今からできる唯一の回避策

答えは一つです。
認知症になる前に、不動産の"出口"を決めておくこと。
遺言、任意後見、家族信託。
どれを使うべきかは、不動産の内容で変わります。
重要なのは、
**"元気なうちに司法書士に設計してもらうこと"**です。
7. よくある質問(FAQ)

Q. 親が軽度の認知症でも売れませんか?
A. 医師の診断次第で、契約が無効になるリスクがあります。
Q. 成年後見を使えば解決しますか?
A. 売却はできますが、自由に処分できるわけではありません。
Q. 兄弟の同意があれば大丈夫?
A. 法律上は本人の意思が最優先です。
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