辞任届は、役員が自らの意思で役職を辞任することを会社に通知する書類です。辞任による役員変更登記の際には、この書類の提出が求められます。辞任届には、辞任者の署名や押印、辞任の意思表示、辞任日などが明記されます。
4. 議事録を辞任届として援用する条件
辞任届についても、特定の条件を満たす場合には、株主総会や取締役会の議事録を代用することが可能です。以下の要件を満たす必要があります:
- 辞任者が総会や会議に出席していること。
- 議事録に、辞任者がその場で辞任を申し出た旨の記載があること。
例えば、議事録に「取締役Bは、席上辞任を申し出た」との記載がある場合、辞任届の提出は不要とされることがあります(登記研究81号、83号)。ただし、議事録に虚偽の記載があった場合、会社法第974条に基づき、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
5. 議事録援用のメリットとリスク
メリット:
- 別途書類を作成する手間が省ける。
- 迅速な登記手続きが可能となる。
リスク:
- 議事録の記載内容に不備があると、登記申請が受理されない可能性がある。
- 虚偽の記載があった場合、法的責任を問われる可能性がある。
そのため、議事録を援用する場合でも、内容の正確性と記載要件の確認が重要です。
6. 実務上の注意点と当事務所の対応
アイリス国際司法書士・行政書士事務所では、登記手続きの正確性と迅速性を重視し、以下の対応を行っています:
- 就任承諾書や辞任届の提出が不要とされる場合でも、可能な限り書面を取得し、記録を残す。
- 議事録の内容を精査し、記載要件を満たしているか確認する。
- 必要に応じて、関係者へのヒアリングを行い、事実関係を確認する。
これにより、登記申請の不備や法的リスクを最小限に抑えることを目指しています。
7. まとめ
商業登記における就任承諾書や辞任届の提出は、会社の役員変更を正式に記録するために重要な手続きです。特定の条件下では、株主総会や取締役会の議事録をこれらの書類の代替として利用することが可能ですが、記載内容や要件を厳密に確認する必要があります。当事務所では、登記手続きの専門家として、正確かつ迅速な対応を心掛けております。役員変更や登記手続きに関するご相談は、無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
※自身で登記されること前提の質問はお受けできません。
※ノウハウだけ教えてほしいという相談もお受けしておりません。
アイリス国際司法書士・行政書士事務所
〒760-0020 香川県高松市錦町2丁目13番7号 松岡ビル2F
TEL:087-873-2653
Email:irisJS2021@gmail.com
営業時間:月~金 9:00~18:00(事前予約で時間外対応可)