相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年9月17日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
「正しいことを言っているはずなのに、なぜか相談者の反応がよくない」「誠実に説明しても、納得してもらえない」。
そんな悩みを持つ士業や専門家の方は少なくありません。
前回の記事(【第1回】正しいことを言っているのに、なぜ届かない?)では、正論が時として相談者との間に"壁"をつくってしまう理由を解説しました。
今回は続編として、「伝え方の順番を少し変えるだけで、関係性がスムーズになる」方法をご紹介します。
正しいことは、タイミングと順序を工夫して伝えることで、初めて相談者の心に届きます。
そのための"ちょっとした技術"を、実際の相談対応での実感を交えながらお話ししていきます。
■目次
1. いきなり「正論」で入ると損をする理由
相談者が話し始めて数分で、「それは〇〇ですから、こうすればいいですよ」と答えたことはありませんか?
法律上は明確で、解決策も単純に見える。だから、つい最短ルートを教えたくなる…。
しかし、それは**「相談者の納得プロセス」を飛ばしてしまっている**ことが多いのです。
いきなり「正論」を提示すると、
こうしたリスクがあります。専門家としては「間違っていない」のに、結果的に損をしてしまうのです。
2. まずは「その人の世界」に入る
相談者が語る内容には、事実と感情が混ざり合っています。
ここで大切なのは、**"まずは相談者の世界に入る"**こと。つまり、「その人が見ている景色」に寄り添うことです。
たとえば、「兄が勝手に不動産を使っていて納得できない」という相談があったとしましょう。
専門家としては、「登記名義や法的権利関係はどうか」をすぐに考えたくなります。
しかし、まずは「どうして納得できないのか」「その背景にはどんな経緯があったのか」をじっくり聞くことが大切です。
「それは腹が立ちますよね」「突然そんなことをされたら、不安にもなりますよね」
そうした言葉を返すことで、相談者は「この人はわかってくれている」と感じ始めます。
3. 「聞く→共感→整理→提案」の流れが鉄則
私が相談対応で意識しているのは、次の4ステップです。
①聞く(傾聴)
相手が話し終えるまで遮らず、まずは聴く姿勢を見せる。
②共感する(感情に寄り添う)
「それは大変でしたね」「わかります」など、共感の言葉を添える。
③整理する(事実の把握)
感情が落ち着いた後で、状況を客観的に整理し、相談者にも再確認してもらう。
④提案する(正論の提示)
ここで初めて、法律や制度に基づく"正しい対応"を説明する。
この順番を守るだけで、伝わり方が格段に違います。
正論が「押しつけ」ではなく、「頼れる提案」として受け止められるようになります。
4. 正論は"後出し"が一番効果的
正論は「武器」にもなりますが、「タイミングを間違えると凶器」にもなります。
だからこそ、「後出し」こそが最大の効果を発揮するポイントなのです。
たとえば、相談者が長年もめてきた家族との相続問題について、感情を吐き出したあとに、
「今のお話をふまえて、法律上の整理はこうなります。実はこうした方法も考えられるんですよ」
と伝えると、相談者の受け止め方はまるで違ってきます。
「正論」ではなく、「選択肢のひとつ」として提示することで、
"決めるのはあなたです"というスタンスを取れるのも、信頼を得る大きな要素です。
5. 相談者の心に届く"正しさ"の伝え方とは
「正しいこと」は、実は一番最後に伝えるほうが効果的。
しかも、それは"答え"としてではなく、**"整理された選択肢の一つ"**として提示されると、相談者は主体的に動くようになります。
正論を信じることは大切です。ですが、それを「伝える順番」「伝え方の形」に工夫を加えることで、相談者にとっての「意味ある正しさ」に変わります。
つまり、正論を活かすには、あえて後回しにする勇気が必要なのです。
6. 次回予告:第3回では「専門家としての信頼の築き方」へ
次回の第3回では、「では、正論も伝えたうえで、どのように"専門家としての信頼"を積み上げていくのか?」についてお届けします。
正論を活かすには"人間関係"が欠かせません。信頼される司法書士になるために、
日々の相談対応でできること、信頼を育てる言葉づかいや距離感について、私の実践をベースにまとめていきます。
令和7年9月17日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
「正しいことを言っているはずなのに、なぜか相談者の反応がよくない」「誠実に説明しても、納得してもらえない」。
そんな悩みを持つ士業や専門家の方は少なくありません。
「正しいことを伝えているのに、なぜか納得してもらえない」「制度的には問題ないはずなのに、相談者が腑に落ちないようだ」。
こうしたジレンマを感じたことのある士業や専門家の方も多いのではないでしょうか?
相続登記や遺産分割協議など、相続に関する法律手続きは複雑で、一般の方にはわかりづらい部分が多々あります。そこで活用されるのが「相続の法律無料相談会」。しかし実際の現場では、残念ながら相談者の姿勢によっては、有効なアドバイスができずに終わってしまうケースも少なくありません。本記事では、司法書士として実際に受けた"答えようのない相談"を例に挙げながら、無料相談を有意義に活用するためのマナーと心構えについて解説します。