【第2回】戸籍で追う相続人の足跡 ― どこまで取ればよい? ~「亡くなった人の戸籍を全部取ってください」と言われたら?司法書士が徹底解説~

2025年08月12日

相続登記を行う際、法務局に提出する書類として「戸籍謄本一式」が必要となります。
ですが、実際に戸籍を取り寄せようとすると、「どこから?」「どこまで?」と戸惑ってしまう方が非常に多いのが実情です。

この記事では、「戸籍をどこまで集めれば相続人を確定できるのか?」という疑問にお答えします。
被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍が必要とはよく言われますが、実際には時代によって戸籍の様式も変わり、追い方にはコツがあります。

相続人調査を日々の業務で行っている司法書士が、実務目線で分かりやすく解説します。

目次

  1. 相続登記で必要な戸籍とは?
  2. 「出生から死亡までの戸籍」の意味とは
  3. 戸籍の改製って何?明治、大正、平成の違い
  4. 具体的な取得の流れと注意点
  5. 戸籍が取得できないケースとその対処法
  6. 相続人の確定に必要な他の資料
  7. まとめ:戸籍収集は時間も労力もかかる
  8. アイリス国際司法書士事務所からのご案内(CTA)

1. 相続登記で必要な戸籍とは?

 相続登記で必要となる戸籍は、主に以下の3種類です:

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍含む)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続関係が分かる続柄の記載がある戸籍

 これにより、「誰が法定相続人であるか」が明確になります。

2. 「出生から死亡までの戸籍」の意味とは

 法務局では、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍をつなげて確認できる状態が求められます。
 これにより、認知された子、前婚の子、養子縁組などの情報もすべてチェックできるのです。

 そのため、戸籍の取得は被相続人の「最後の本籍地」だけでは不十分なことが多く、過去の本籍地へもさかのぼって請求する必要があります。

3. 戸籍の改製って何?明治、大正、平成の違い

 戸籍には「改製(かいせい)」という制度があります。これは、戸籍の書式やルールが変更された際に、古い戸籍から新しい戸籍へと"改める"手続きです。主な改製は以下のとおり:

  • 明治改製戸籍(明治31年式):最古の様式。手書きで読みづらい。
  • 昭和改製戸籍(昭和32年以降):家ごとに作られていた戸籍。
  • 平成改製戸籍(平成6年以降):個人単位の「戸籍法改正」によるもの。

 改製されるたびに、前の戸籍は「除籍」または「改製原戸籍」となり、新しい戸籍に転記されます。
 これが「つなげていく」作業を複雑にしているのです。

4. 具体的な取得の流れと注意点

 以下は、一般的な戸籍収集の流れです:

  1. 被相続人の最後の戸籍(除籍)を取得
  2. その戸籍に記載された前住所・本籍地をもとに、さらに前の戸籍を請求
  3. 出生時までさかのぼり、最初の親との続柄が確認できる戸籍まで収集

【注意点】

  • 転籍が多い人は複数の市町村に請求する必要がある
  • 手書き戸籍は判読が難しく、時間がかかる

5. 戸籍が取得できないケースとその対処法

 まれに、古い戸籍が災害や廃棄によって取得できないことがあります。
 その場合は:

  • 法務局に事実関係を説明する上申書を提出
  • 推定される相続人全員の戸籍から逆算して説明する

といった代替手段で対応します。

6. 相続人の確定に必要な他の資料

 戸籍以外にも、以下の資料が相続人の確定に役立つ場合があります:

  • 除票(住民票の除票):被相続人の住所の変遷を確認できる
  • 戸籍附票:本籍地の変遷が分かる

7. まとめ:戸籍収集は時間も労力もかかる

 「出生から死亡までの戸籍を集める」という一文に収まる作業ではありますが、
 実際には複数の自治体に問い合わせ・請求し、手書き文字を読み解く根気と知識が必要です。

 また、収集ミスがあると相続登記が受理されないため、専門家に依頼する方も増えています。


8. アイリス国際司法書士事務所からのご案内(CTA)

被相続人の戸籍を集める作業にお困りではありませんか?
「どの役所に請求すればいいか分からない」「改製原戸籍の読み方が分からない」など、
相続登記の前段階でつまずく方が多いのが現実です。

当事務所では、戸籍の取得から相続人の確定、相続登記まで一貫してお手伝いしています。

📞お問い合わせはこちら
アイリス国際司法書士・行政書士事務所
司法書士・行政書士 橋本大輔
▶ 電話:087-873-2653
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