相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【第2回】空き家を放置するとどうなる?〜法的・経済的リスクを徹底解説〜

「空き家を放置しているとどうなるの?」「相続した実家が空き家のままになっているけど、何か問題ある?」
そんな声が最近増えています。実は、空き家を放置していると、法律上の責任や税金の増加、売却の困難化など、さまざまなリスクに直面する可能性があります。
本記事では、空き家を放置することによって生じる法的・経済的な問題について、司法書士の視点から分かりやすく解説します。
特に、特定空家に指定された場合のペナルティや、管理責任を怠った場合の賠償リスクなど、知らないと大きな損をするポイントも多々あります。
空き家問題の本質を知るためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
- 空き家を「放置する」とはどういう状態か
- 放置によって起こる主なリスク
- 「特定空家」に指定されるとどうなる?
- 空き家放置がもたらす経済的デメリット
- 放置が近隣住民に与える影響と責任
- まとめ:放置しない、動き出すことが最大のリスク回避策
1. 空き家を「放置する」とはどういう状態か

「放置」とは、建物の維持管理が一切されていない状態を指します。
戸締まりや草刈り、雨漏りや腐食の確認、郵便物の整理など、最低限の管理すらされていない空き家は、「放置」と見なされ、行政や近隣住民から問題視されることになります。
所有者が管理義務を果たしていない場合、後述するような重大な結果を招くことがあります。
2. 放置によって起こる主なリスク

空き家を放置することによる主なリスクには、以下のようなものがあります。
- 建物の倒壊リスクや火災の発生(電気系統・不審火など)
- 不法侵入・不法占拠(いわゆる「空き家に勝手に住まれる」問題)
- 草木の繁茂による衛生・景観悪化
- 雨漏りや腐食が進み、資産価値がゼロになる
- 賠償責任が発生するケースも(例:瓦が飛んで人に当たった等)
これらの問題は時間とともに確実に進行し、放っておくほど対処のハードルが高くなります。
3. 「特定空家」に指定されるとどうなる?
平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、著しく管理が不十分な空き家は**「特定空家」**に指定されるようになりました。
特定空家に指定されると、以下のような対応がなされます。
- 行政からの改善命令・勧告
- 従わなかった場合の行政代執行(解体)と費用請求
- 固定資産税の住宅用地特例の解除(最大6倍に増税)
つまり、長年放置していると税負担が急増し、最終的には行政が強制的に解体し、その費用を請求される可能性があるのです。
4. 空き家放置がもたらす経済的デメリット

空き家を持っているだけで、年間数万円〜十数万円の固定資産税が発生します。
さらに以下のような経済的損失が起こる可能性があります。
- 建物が劣化し、売却価格が大幅に下落
- 更地にしても「更地評価」で税金が上がる
- 管理費や修繕費の支出が増える
- 放置後に「特定空家」となると助成金対象から外れる
また、相続後に登記をしていないと、売却・賃貸ができず、さらに手続きが煩雑になります(※これについては後日別回で解説します)。
5. 放置が近隣住民に与える影響と責任
空き家は所有者だけの問題ではありません。
例えば隣家の敷地に雑草や落ち葉が侵入したり、不審者が出入りするような事態が起これば、近隣トラブルの火種となります。
さらに、台風や地震で瓦や外壁が飛散して隣家の窓を壊した場合、所有者が損害賠償責任を負うこともあります。
放置していたがために、「想定外の出費」に繋がるケースも少なくありません。
6. まとめ:放置しない、動き出すことが最大のリスク回避策
空き家は「所有しているだけ」でもコストがかかります。
そして放置すればするほど、リスクも手続きも複雑化し、資産価値はどんどん目減りしていきます。
もし現在、空き家を持っている、あるいは相続予定であるならば、まずは現状を確認し、早めに対応の道筋を立てることが大切です。
司法書士や不動産会社、行政の空き家相談窓口など、活用できる専門家や制度はたくさんあります。
次回は、**「空き家を活用する方法」**について、賃貸・売却・利活用などの選択肢を詳しくご紹介していきます。

最新のブログ記事
【第5回】 繰り返しが記憶を支える ― 回すスケジュールの立て方
司法書士試験において、記憶の定着は"時間"ではなく"回数"で決まります。
どれだけ時間をかけても、思い出す訓練をしなければ記憶は長続きしません。
本記事では、年明けから直前期にかけて「一週間で全科目を回す」ためのスケジュール設計と、朝夜の使い分け、復習タイミングの最適化方法を詳しく解説します。
橋本式「回す学習法」を形にする最終ステップです。
嫌われることは、人生の失敗ではない ― 50歳で司法書士を目指して気づいた「人間関係の真実」
多くの人は「嫌われること」を極端に恐れます。しかし50歳を過ぎ、司法書士試験という人生最大の挑戦をした私は、嫌われることはほとんど問題ではないと気づきました。むしろ、人の目を気にして自分の人生を止めることのほうが、はるかに大きな損失だったのです。挑戦すると人は離れ、否定され、時には傷つけられます。ですがそれは、あなたが間違っている証拠ではなく、「本気で生き始めた証拠」なのです。
ここまで4回の記事で、
**「不動産 × 認知症 × 義務化」**がどれほど危険かをお伝えしてきました。
しかし本当に大切なのは、あなたの家が今どの状態なのかです。
結論から言えば、ひとつでも危険サインがあれば、すでに対策が必要な段階です。
このチェックリストで、あなたの不動産が「守られているか」「爆弾になりかけているか」を確認してください。



