相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
【第3回】“じまい”はやってよかった? 実例から見る前向きな決断 〜空き家・墓・土地の片付けで得られた安心と家族の絆〜

「墓じまいをして本当によかった」「空き家を解体して気持ちが軽くなった」──。
最近では、こうした"じまい"の前向きな声が徐々に増えてきています。
かつては「親や先祖に申し訳ない」「兄弟と揉めたくない」と後ろ向きになりがちだった"じまい"ですが、実際に行った人たちは「結果的にはやってよかった」と感じているケースが多いようです。
この記事では、墓じまい・家じまい・土地じまいを実行した人々の体験談をもとに、どんな準備をし、どんなトラブルを回避し、何を得られたのかを具体的に紹介します。
■ 目次
- なぜ"じまい"を決断したのか?
- 【体験談1】墓じまい:離れて暮らす家族への配慮
- 【体験談2】空き家じまい:ご近所トラブル回避の選択
- 【体験談3】山林じまい:手放して心も軽く
- "じまい"を成功させる3つのポイント
- まとめ:先延ばしよりも"行動"のメリット
1. なぜ"じまい"を決断したのか?

「誰かがやらなければいけないけど、誰も手を出せない」。
そんな状態が長く続いた末に、"じまい"に踏み切った人たちは共通して「放置はよくない」と痛感していました。
- 長男が遠方に転勤し、墓の管理が困難に
- 実家が空き家になって10年、草木が生い茂り近隣から苦情
- 相続登記の手続きをきっかけに、山林の管理負担が判明
きっかけはそれぞれ異なりますが、「今やらなければ、将来もっと大変になる」と考えて動き出す人が増えています。
2. 【体験談1】墓じまい:離れて暮らす家族への配慮

70代女性(東京都)
両親が眠る地方の共同墓地。長年1人で管理してきたが、足腰が弱くなり墓参りが困難に。息子・娘も都内在住で「なかなか行けない」との声が。
思い切って、都内の納骨堂へ改葬することを決断。
兄弟間で相談を重ね、最終的には「この方が将来安心だよね」と納得してもらえた。
メリット:
- お参りがしやすくなり、孫たちも訪れるようになった
- 管理費も安くなった
- 遺された家族への"負担軽減"として感謝された
3. 【体験談2】空き家じまい:ご近所トラブル回避の選択
60代男性(大阪府)
親が亡くなったあと、実家は誰も住まず10年以上空き家に。近隣から「虫が出る」「庭木が越境している」と苦情が届き始めた。
当初は思い出もあり、解体に抵抗があったが、
自治体から「特定空き家に指定される恐れがある」との指摘を受けて決断。
結果:
- 解体後に更地として売却でき、相続税の納付資金にもなった
- 近隣から「対応してくれて助かった」と言われた
- 自分の代で"後始末"をしたという安心感が残った
4. 【体験談3】山林じまい:手放して心も軽く
50代女性(神奈川県)
親族から相続した山林が、実は固定資産税だけかかって管理不能な土地だった。しかも相続登記が未了で、他の親族と共有状態。
相談の末、登記を済ませたうえで隣地所有者に譲渡。
「名義を整理することで手放せた」と実感。
得られたもの:
- 不安材料が一つ減った
- 相続人間で協力しあえたことで、関係も円滑になった
- 毎年の税金負担からも解放された
5. "じまい"を成功させる3つのポイント

①「相談は早めに、広く」
親族間だけでなく、行政や専門家にも早めに相談することで選択肢が広がります。
②「見積と手続きはセットで考える」
費用感と手続きの流れを把握することで、先延ばしの不安を軽減。
③「感情面のケアを忘れずに」
「ありがとう」と言われる"じまい"には、丁寧な話し合いと共感が欠かせません。
6. まとめ:先延ばしよりも"行動"のメリット
"じまい"を実行した人たちに共通しているのは、「やってよかった」「もっと早く動けばよかった」という言葉です。
一歩踏み出すには勇気がいりますが、その先には、安心・スッキリ感・家族の感謝という"報われる結果"が待っています。
自分のためにも、家族のためにも、今こそ"じまい"を「現実の行動」として前向きに考えてみませんか?

次回は、"じまい"にかかる費用相場と、費用負担の分担で揉めないためのコツについて解説します。
最新のブログ記事
幸せは足し算よりも「引き算」で見つかる ――両手に握りしめた執着を、いったん手放す勇気
私たちは幸せになるために、何かを「足そう」としがちです。成功、評価、安心、肩書き。けれど実際には、もう十分に多くのものを抱え込んでいる人ほど、人生を重たく感じています。幸せを遠ざけている原因は、足りないことではなく、手放せずに握りしめているものが多すぎることなのかもしれません。幸せは足し算よりも引き算で見つかる。本稿では、「両手をいったん開く」という比喩を手がかりに、執着を手放すことの意味と勇気について考えてみたいと思います。
【2026年版】香川県で相続登記に悩んだら|司法書士に相談すべきケースと無料相談の活用法
相続登記は「すべてを自分でやる必要はありません」。
香川県でも、内容によっては自分で可能なケースと、専門家に任せた方が早く・確実なケースがあります。
大切なのは、無理をせず、正しいタイミングで相談することです。
【2026年版】香川県の相続登記|市町村別の注意点と相談先を司法書士が解説
相続登記の制度は全国共通ですが、実務上の注意点は市町村ごとに異なります。
香川県でも、市街地・郊外・農村部で不動産の性質やトラブルの傾向が大きく違います。
相続登記は「香川県全体」ではなく、「その市町村の特徴」を意識することが重要です。


