相続法律・税務無料相談会のご案内
令和7年9月17日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
相続の現場で近年、急増しているのが「負動産(ふどうさん)」の問題です。空き家や山林、使い道のない遠方の土地など、相続人が「いらない」と思う不動産が財産に含まれていた場合、相続放棄をするか、不要な土地の処分に頭を悩ませるケースが後を絶ちません。
被相続人にとっては「価値がある」と信じて残した土地が、実は税金や管理コストばかりかかる"お荷物"だった――そんな「善意の相続」が子どもたちの負担になる事例も珍しくありません。
本記事では、負動産とは何か、どんなリスクがあるのか、そして生前にできる対策について、わかりやすく解説します。
【目次】
1. 負動産とは?──価値ではなく負債となる不動産
「負動産」とは、資産価値がほとんどない、またはマイナスである不動産を指します。
たとえば以下のような物件が売却困難、管理費が発生)
こうした不動産は、相続しても売れず、使えず、管理コストや税金がかかるため、実質的に「負債」となってしまうのです。
2. なぜ今、負動産が急増しているのか
日本では少子高齢化と人口減少が進み、地方や郊外の不動産の需要が著しく低下しています。
一方、相続は避けられないため、使い道のない土地を受け継ぐ人が増加しています。
これらの要因が重なり、「相続したくない不動産」が各地に広がっています。
3. 負動産が相続人にもたらす現実的な負担
相続した不動産には、たとえ収益が出ていなくても以下のような負担が発生します。
また、売却しようとしても買い手が見つからず、結局「相続放棄を選ぶしかない」といったケースも少なくありません。
4. よくあるトラブル事例
【事例】
地方に実家があるAさんは、両親の死後にその家と土地を相続。誰も住まなくなった家は急速に劣化し、近隣住民から「瓦が落ちそう」「蚊が大量発生している」と苦情が。
自治体からは是正勧告が届き、解体費用と更地にした後の高額な固定資産税が発生。結果、相続によって数百万円の出費が必要となり、「相続しなければよかった」と後悔することに。
5. 生前対策①:土地を相続させない選択肢
親が元気なうちにできることとして、まず考えたいのはその土地を本当に相続させる必要があるのかという点です。
使い道のない土地を残すより、現金や売却済み資産として相続させた方が円満なケースも多いです。
6. 生前対策②:処分・利活用・寄附の検討
もし土地を子どもに残さないと決めた場合、生前に処分や利活用を考えることが重要です。
土地は"持っているだけでお金がかかる"時代だからこそ、持ち続けるべきか手放すべきかの判断が必要です。
7. まとめ:本当に"残したい"財産とは何か
相続人のためを思って残したはずの土地が、逆に負担と混乱を生む――それが負動産の怖さです。
形式的には"資産"であっても、管理・維持・処分の手間やコストまで見越すことが大切です。
相続とは、財産を引き継ぐことだけでなく、家族の未来の負担まで含めて考える行為です。
不要な土地を残すのではなく、「本当に残したい価値ある財産とは何か」を見極めることが、次の世代への最良のギフトになるでしょう。
次回は最終回「家族信託の誤解──"信頼できる人に任せれば安心"ではない」で、信頼を前提にした家族信託のリスクと注意点について掘り下げていきます。
令和7年9月17日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
相続の現場で近年、急増しているのが「負動産(ふどうさん)」の問題です。空き家や山林、使い道のない遠方の土地など、相続人が「いらない」と思う不動産が財産に含まれていた場合、相続放棄をするか、不要な土地の処分に頭を悩ませるケースが後を絶ちません。
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「この土地は長男にあげると父が言っていた」「母から生前に譲ってもらう約束をしていた」──こうした**"口約束"による相続のトラブル**は、今も後を絶ちません。
相続において、親子間の信頼関係や慣習に頼るのは非常に危険です。登記がされていない不動産や、契約書のない贈与の約束は、法的には「無かったこと」になり、他の相続人との間に深刻な対立を生むことも。
本記事では、贈与と登記の重要性、そしてそれが相続にどのような影響を及ぼすのかを、事例を交えて解説します。