【遺言書】未成年の子どもを残して亡くなった場合の相続手続き|司法書士が伝えたい「若い世代こそ遺言書が必要な理由」

2026年03月01日

若い世代でも、突然の事故や病気によって相続が発生するケースは決して珍しくありません。
そして未成年の子どもが相続人となった場合、通常の相続手続きはそのまま進めることができません。

家庭裁判所で「特別代理人」の選任が必要となり、遺産分割の内容にも厳格な制限が課されます。

実務上、高松家庭裁判所では
✔ 未成年者の法定相続分の確保
✔ 遺産分割協議書(案)の事前提出
✔ 認められた内容の変更不可

といった重要なポイントが存在します。

この記事では、実際の家庭裁判所運用を踏まえながら、若い子育て世帯こそ遺言書を準備すべき理由を解説します。

目次

1.若年層の死亡による相続が増えている現実
2.未成年者が相続人になると何が起きるのか
3.特別代理人選任が必要になる理由
4.家庭裁判所が確認する「遺産分割協議書(案)」とは
5.未成年者の法定相続分確保が求められる理由
6.代償分割が実務上多く採用される背景
7.通常の遺産分割協議書との決定的な違い
8.一度認められた内容は変更できないという注意点
9.遺言書があれば防げる手続き負担
10.若い世代こそ今すぐ準備してほしい理由


1.若年層の死亡による相続が増えている現実

相続というと高齢者の問題と思われがちですが、実務では次のような相談が増えています。

  • 子育て中の親の突然死
  • 住宅ローン返済中の死亡
  • 小さな子どもを残した相続

この場合、多くの家庭で共通して起きる問題があります。

配偶者と未成年の子どもが共同相続人になることです。

2.未成年者が相続人になると何が起きるのか

未成年者は法律行為を単独で行えません。

通常であれば親権者が代理しますが、相続では問題が生じます。

【重要】

親と子は同じ相続人です。

つまり、

  • 親が多く取得する
  • 子が少なく取得する

という判断を親自身が代理すると、利益相反となります。

3.特別代理人選任が必要になる理由

未成年者が相続人となり親権者との間に利益相反が生じる場合、家庭裁判所へ特別代理人選任の申立てを行う必要があります。

この手続きなしでは、

  • 不動産名義変更
  • 預金解約
  • 遺産分割協議

は進められません。

4.家庭裁判所が確認する「遺産分割協議書(案)」とは

特別代理人選任申立てでは、

完成前の遺産分割協議書(案)

の提出を求められます。

ここが一般の相続手続きと大きく異なる点です。

家庭裁判所は、

未成年者に不利益がないか

を事前に審査します。

5.未成年者の法定相続分確保が求められる理由

実務上、高松家庭裁判所では、

未成年者の法定相続分の確保が必須

と説明されています。

単に必要性を説明するだけでは足りず、

  • 法定相続分相当の取得
  • 経済的不利益がない内容

が求められます。

6.代償分割が多く採用される背景

住宅など分割できない財産がある場合、

実務上よく採用されるのが 代償分割 です。

代償分割とは

不動産を生存配偶者が取得する代わりに、未成年者へ法定相続分相当の金銭を支払う方法です。

家庭裁判所でも合理性が説明しやすく、申立て実務では一般的に用いられます。

7.通常の遺産分割協議書との決定的な違い

通常の協議書では可能な、

  • 柔軟な分割調整
  • 後日の修正

ができません。

特別代理人選任では、

提出した協議内容そのものが審査対象になります。

8.一度認められた内容は変更できない

家庭裁判所が認めた遺産分割協議書(案)は、

原則として内容変更が認められません。

さらに注意点として、

「後に発見された財産は配偶者が取得する」

といった受け皿条項も認められない運用があります。

つまり、

最初の設計ミスがそのまま確定する可能性があります。

9.遺言書があれば防げる手続き負担

もし遺言書があれば、

  • 遺産分割協議不要
  • 特別代理人不要となる場合あり
  • 家庭裁判所手続き回避

が可能になります。

特に子育て世帯では、

遺言書は「財産分配」ではなく
子どもを守るための準備です。

10.若い世代こそ今すぐ準備してほしい理由

若いから必要ないのではありません。

むしろ、

  • 未成年の子どもがいる
  • 持ち家がある
  • 共働き家庭

ほど遺言書の重要性は高くなります。

自筆証書遺言でも構いません。

重要なのは、

残された家族が相続手続きで止まらないことです。

最近の問い合わせ内言おうとして、若年層の方の死亡による相続発生の案件が、営業のチャンネルが増えたせいか、それとも増加傾向にあるのかわかりませんが、増えてきています。まだ若いから関係ないではなく、残された家族が困らないように、現状で考えうる事態を想定した遺言書を準備しておきませんか?



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遺言書のイロハ

遺言書は「財産が多い人だけが作るもの」と思われがちですが、実務の現場ではむしろ一般家庭ほどトラブル予防効果が高い手段です。特に香川県では不動産相続・空き家問題・県外相続人の増加など地域特有の事情があり、事前準備の有無で結果が大きく変わります。本記事では香川県17市町および徳島市・鳴門市を対象に、遺言書作成の判断基準から具体的手続まで司法書士が体系的に解説します。

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