3.実際の申請書記載
(事例1)の申請書
登記の目的 所有権移転登記
原 因 年月日売買(A→Bの売買が発生した年月日)
権 利 者 (被代位者)B
代 位 者 C
代位原因 年月日売買の所有権移転登記請求権
義 務 者 A
添付情報 登記原因証明情報 登記識別情報 印鑑証明書 住所証明情報
代位原因証明情報 代理権限証明情報
となります。通常の申請書と異なる部分は、「被代位者・代位者」「代位原因」の記載と、添付書類に、「代位原因証明情報」があることです。事例のような売買の場合は契約書などがこれに当たります。
この「代位原因証明情報」を添付しなくてもいいときがあります。
それが、すでに登記簿上にある抵当権の抵当権者が請求権を代位行使する場合です。この場合でも、添付情報欄に「代位原因証明情報は、年月日受付〇号をもって本物件に抵当権設定登記済につき添付省略」の記載は必要です。
4.まとめ
今回は、代位による登記のお話をしてきました。代位するには、要件が必要です。その要件は、「債権者は、自己の債権を保全するため必要があるとき」です。迷惑をかけられて登記ができない方の請求権を保全するために必要であるならば、代位による登記も可能となります。
前に、離婚調停書正本(確定証明書付)を添付して、所有権移転登記を単独で申請する場合をご紹介しました。その際に、名義人の住所が変更になっているときも、住所変更登記を代位によりすることが可能です。ただし、登記原因証明情報(住民票)の添付は必要となります。
代位の要件を充たしているかどうかにつきましては、専門家にご相談ください。