2024年(令和6年)4月1日に、相続登記が義務化されます。不動産を相続したことを知ったときから、3年以内に相続登記をしなければ、「10万円以下の過料」が科せられます。
また、2026年4月までに、「住所や氏名の変更」があったときも、2年以内に変更登記をしなければ、「5万円以下の過料」を課せられます。(法務局2022年12月27日発表では、施行日は今後決定されます。)
というのが概要です。
2.相続登記義務化の罰則
先にも記載しましたが、法令で相続登記が義務化されましたので、「罰則」が存在します。
罰則の内容は、「正当な理由なく相続登記を怠った場合、最大10万円の過料」が科せられます。過料を支払ったからと言って、相続登記の義務を免れるわけではありません。ご自身で相続調査を行い相続登記を行うか、専門家である司法書士に依頼するかの選択に迫られます。司法書士に依頼する場合、10万円から15万円ほどの手数料がかかります。(相続による所有権移転登記に必要な登録免許税は、専門家に頼んでも、ご自身で登記を申請してもかかる必要な税金となります。手数料は登録免許税額を除いています。)
早めに専門家に相談をして、義務化に備えるようにしてください。
3.相続登記義務化の対象範囲
すでに相続が発生している場合についてのご質問が多く寄せられていますが、過去の発生した相続も、この度の相続登記義務化の対象となります。誤った情報を聞いて相談される方が多くいます。法律に詳しい親戚や近所の方は専門家ではありません。必ず、専門家(司法書士等)や行政の無料相談会等をご活用いただき、正しい情報を得てください。
また、数代にわたり相続登記が実施されておらず、相続人がどなたかわからないケースもよく見ます。この場合、相続人の調査が広範囲にわたる場合には、専門家に必ず相談をして、相続人を特定するようにしましょう。費用は掛かりますが、自分で判断するのはかなり難しいです。
なぜ相続人の特定が必要なのかと言いますと、「遺産分割協議」を行い、将来処分することも含めて、当該不動産を管理可能な相続人に所有権を移すために必要となります。遺産分割協議の要件は、相続人全員で協議することです。そのため、相続人が全員特定できていない遺産分割協議は無効となりますので、必ず専門家に相続人調査の依頼をしてください。