3.まとめ
なぜ、このような論点が重要になってくるのかと言いますと、遺産分割で法定相続分での分割をした場合、2の事例では、母親2分の1、長男2分の1となります。
不動産は物理的に分けることはできないので、代償分割(長男が取得する持ち分を現金で埋め合わせる分割方法)でした場合、長男に渡す現金は、
①現金200万円を含めた場合:代償金額は、150万円
➁現金200万円を含めなかった場合:代償金額は、250万円
となり、含めた場合と比較すると100万円多く、母親が長男に渡すことになります。現金が少ない場合には、もめる原因となります。
しかし、現状では「配偶者居住権」や「相続分の修正にかかる夫婦間における持ち戻しの意思表示推定」などが規定されており、より配偶者が被相続人と暮らした不動産を取得しやすいように改正がなされました。
※特別受益:相続人の中に、被相続人から遺贈や生前贈与によって特別の利益を受けた者がいる場合に、その相続人の受けた贈与等の利益のこと。
※特別受益の持ち戻し:被相続人から特定の相続人に対し生前贈与等が行われた場合には、特別受益があるわけですが、特別受益分を遺産の中に入れて具体的相続分を計算すること。
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