令和2年度の惜敗を受けて、9か月の学習期間で令和3年度司法書士試験1位を目指して編み出したのが「不死鳥(フェニックス)ルート」です。結果としては4位でしたが、その破壊力は絶大で、ミスはあったものの本試験でも極度に緊張することはありませんでした。一発合格されている方々も、おそらくですがこの「不死鳥(フェニックス)ルート」を初年度に無意識的に実施して合格されたものと思います。
私は、根性論や精神論を語ることはあまりしたくありません。それは、内容が具体的でなく、受け手にとってあまりにもふわっとした形でしか伝わらないからです。勉強しなくちゃいけない?そんなの当り前です。しかし、「不死鳥(フェニックス)ルート」を解説する前に、あなたがあなた自身と必ず一つのことを約束していただきたいのです。それは、「他責にしないこと」です。これからおとずれるすべての困難を人のせいにするのではなく、自分が甘いと考え、その甘さを克服していってください。本当は、あなたは気付いていると思うのです。本当はやれば確実に点数が上がるはずなのにやらなかったことが。死して尚、再び立ち上がり、困難に立ち向かっていくこと、これこそがフェニックスです。今まで誤った学習法を改善していきながら、学習した内容をものにしていくことがポイントです。それでは解説します。
一般的には、暗記と理屈で覚える学習を分けてやっていると思います。これは、択一も記述も同じです。これを暗記をベースに理屈をくっつけて学習していく方法です。勿論、法令によりその度合いは変えていく必要があります。
①民法 民法の学習範囲で暗記物の部分を穴埋め問題化して解きながら、この範囲に付随する過去問やストックしている民法の問題を1つの復習用の教材を作成して繰り返して使いこなしていく方法。民法の場合、条文をどの程度まで深堀するかで、その範囲のとらえ方が微妙に変わってきます。深堀さえすればいいのではなく、過去に一度も出ていない問題については浅く、抵当権・根抵当権はすでに学習しているかもしれませんが、先取特権や質権といった、出題されたときに大事故につながる範囲はきっちりと全体像を把握すべきです。
➁不動産登記法 不動産登記法の条文を読み込むのも大事ですが、ほとんど過去問を見ると、「先例」について問われている場合が多いと思います。テキストを見ていただくとわかると思うのですが、体感ですが3割ぐらいは先例だと思います。つまり、通常のやり方に「例外的な取り扱い」を組み込んだような形になっていることがわかると思います。勿論、条文を理解しておくことは重要なのですが、「先例」無くして得点は絶望的になると思います。
③会社法・商業登記法 条文から入ると大やけどを負います。必ず、テキストの解説から入っていきましょう。ここで重要な点は、過去問でよく問われる個所の暗記部分をきっちり覚え、その暗記した内容に付加して理屈をくっつけていく感じです。
範囲も広いですので、まとめるのにも時間がかかると思いますが、3か月である程度完成させてください。足らずは、4月からの模試などから弱点を見出し追加学習をしてみてください。
そして、やった内容の記録(日付とかかった時間)は、必ず記録するようにしておき、2回目3回目の時に、どのくらい効率化できているかを常に意識するようにしてください。やりっぱなしやきっとできていると思い込むのはご法度です。客観的な数値化をして比較を忘れないでください。
3.まとめ
この「不死鳥(フェニックス)ルート」を使いこなすには、それなりに覚悟が必要です。予備校のせい、テキストのせい、環境のせいにしたところで、何も生み出しません。そこに脳のリソースを奪われるくらいなら、覚悟してやるべきをやる学習方法を徹底したほうがいいと考えます。そして、この困難を乗り越えられた時の自信こそが、独立したときの大きな礎になることでしょう。失敗を失敗のままにせず、活かしてこその失敗です。徹底的に改善をすれば光は見えてきます。