2.司法書士試験の記述式問題で求められる能力
司法書士試験の記述試験問題で求められる能力は、問題文と添付書類から「なすべき登記」を判断し、その内容を解答用紙に書いていき、その登記に必要な添付書類を正確に選別できる能力です。ほぼ実務と言っていい内容ですので、実務経験のない方は不利に思うかもしれませんが、今までも同様の試験が実施されており、配点が変更になる以外の部分で、今までの学習内容に変更はないと思います。
実務をしていないとだめなんじゃないのかという話をよく聞きますが、私自身、合格後の配属研修以外に実務経験はありませんでしたが、ちゃんと得点できていました。
過度に学習内容を変更する必要はないと思いますが、もともと記述式試験は、練度がものを言います。日々の学習に必ず入れていくようにしておき、本番で焦らないで済む訓練は必要です。詳しくは、令和5年12月3日のブログ「記述試験という魔物」を参考にしてみてください。
3.配点の割合の変化
今までの試験の配点が、択一式210点・記述式70点。つまり、択一:記述の割合は、3:1で、記述の占める割合が25%だったところ、令和6年度からの試験は、択一式210点:記述式140点。割合は3:2で、記述式の占める割合は、40%となります。
一般的には、択一・記述で基準点が発表され、それに大体30点ほどの上乗せ点が近年の試験で必要でした。今までの試験で記述は内容により差が出やすいので、安定して上乗せ点をとる手法として、択一の精度を上げていくのが、コスパがいいと予備校などでは言っていたと思います。令和6年度の試験結果が出ないとわかりませんが、この上乗せ点については、今のところ未知数です。記述が得意な方は、記述で上乗せ点を確保する選択肢ができますが、かといって、択一をないがしろにはできません。