私事で恐縮なのですが、大学卒業後、化学で生業を立てたいと思っていましたが、仕事にも慣れ、周りの環境にも慣れてきたころ、「留学」を決意したんですよね。絶対に後戻りできないように、自分で何重にも罠をかけて。その後は、完全に年功序列のレールからは外れていることを意識しながら、自分は今何を求めているのか、なんのために生きているのか、常に意識してやってきたと思います。でも不思議なんですよね。「居心地がいい」と、「ああ、ここを離れなきゃ」と思ってしまうんです。はじめのうちは、ただのアマノジャクかと思っていましたが、先日、矢沢永吉さんが若い女性の悩みに答えている過去の映像を見てしっくりきましたので、その内容をまとめます。キャバクラで働いている若い女性が、将来が見えない(やりたいことがない)ということで質問したことに答えた内容です。
「ね、いっぱいいるんでしょうね今。どうしていいのかわからないんだけどもっていうのが。本当に僕は15ぐらいの時に、ビートルズに出会って、あっこれだと思ったわけね。それで東京に行って歌手になろうと思いました。今みたいにインターネットがこんなに発達して、世界同時に情報が交換できるような時代じゃないですから、あの時東京行って俺はロックシンガーになるんだって言ったら、周り10人中10人が、「お前頭大丈夫?」って言われました。その時代ですよね。
でもね、あのスコーンときた気持ちって、今考えたら、あれがなかったら自分は何してたのかな?と思ったりします。ちょっとしたところに、はまれるところはあるのかもしれないけどね。それがどこで出会えるのか、どこで自分がキラっとするのかという、ひょっとしたら、ほんのちょっとのことなのかも分かんないんだよね。
でもうまく言えないけど、もしこのままダラダラ時間が過ぎるだけで、私どうすればいいんだっていうのなら、やめちゃったら?あっさり。
居心地がいいんじゃない?なんだかんだ言っても。居心地がいいからそこにいる。それでこのままじゃまずいなって気持ちもないこともない。でもこのままじゃいけないかなと思う。でも居心地も悪くないから。でも、表に出るのはちょっと面倒くさいし、ここにいた方が軽いし楽だしみたいな。
でも、このままずっと「フォーエバー」ある訳ないよねっていうところにいるんじゃないですかね。」
ここで、質問者の女性が「そうです。」と答えた後、矢沢さんは続けます。
「僕、(それは)半分自分の責任だと思う。このままいって、あなたの気持ちのどっかの部分で「このままじゃまずよな」って方向に行っちゃったときには、自分が半分以上は責任取らなきゃいけないね。
(自分を指して)ここなのよ。・・・・ここなのよ。ここで僕非常に生意気なこと言うようだけど、
国の責任にしちゃいけないんだよ。国とか世間とか周りの責任にしちゃだめなんだよね。
最終的には自分なんですよ。
というところを本気で思ったら、多分このままじゃいけないと思ったら、多分・・・出ていくしかないんじゃない。怖くても。
時間がたって、時間がたって、時間がたって、時間がたった時に、君がどっかで懸念してたものが、ピュッと出てきたときに、もうやばいぞと思ったときにその時、何?「世間が悪い」って言う?周りが悪いっていう?
言っちゃだめだよ。言っちゃだめだけど、人間は弱いから言うんだよ。「国が悪い」って。
あの必ず近道をずっとしていると、必ず近道が敵になってくるんだよね。いつか敵になるんですよ。
みんな言うの僕のこと「矢沢はすごい早い」って言うの。思ったらすぐ思ったらすぐ、すぐ行動に移してるの。僕最近分かったのなんで早いか。たぶん怖がりなんだよね。怖がりで怖いから手を打つんですよ。僕は早かったんじゃなかったの。怖がりだったのよ。」