相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
家族信託を使えば万事解決?司法書士が解説する「万能神話」の落とし穴【2026年版】

「家族信託を使えば、相続も認知症も全部解決する」
最近、こうした説明を耳にする機会が増えました。
しかし結論から言うと、家族信託は万能ではありません。
確かに非常に優れた制度ですが、
向いていないケースで使うと"逆にトラブルを増やす"こともあります。
実務では
家族信託は"主役"ではなく、数ある生前対策の一つ
として位置づけることが重要です。
目次
- 家族信託とは?注目される理由
- ❌ 誤解「家族信託を使えば何でも解決する」
- 家族信託で「できること」
- 家族信託で「できないこと」
- 実務で実際に起きている失敗例
- 家族信託が向いているケース
- 家族信託が向かないケース
- 正しい生前対策の組み合わせ設計
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|家族信託は"強力だが限定的な道具"
1. 家族信託とは?注目される理由

家族信託とは、
自分の財産を信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる仕組みです。
特に注目されている理由は、
- 認知症になっても財産管理が止まらない
- 成年後見より自由度が高い
- 不動産の管理・売却がしやすい
👉 これだけを見ると
「これさえやれば安心」と思ってしまいがちです。
2. ❌誤解「家族信託を使えば何でも解決する」

実務でよく聞く言葉です。
- とりあえず信託しておけば大丈夫
- 遺言はいらない
- 相続対策も全部できる
👉 これは危険な誤解です。
家族信託は
「財産管理・運用」に強い制度であって、
相続全体を解決する制度ではありません。
3. 家族信託で「できること」

✔ 認知症後の財産管理
- 賃貸管理
- 修繕
- 売却
👉 成年後見に比べ、非常にスムーズです。
✔ 不動産の柔軟な管理
- 空き家対策
- 将来の売却を見据えた管理
👉 不動産オーナーには特に有効です。
✔ 家族内での管理ルール明確化
- 誰が管理するか
- どこまで権限があるか
👉 「何となく管理」を防げます。
4. 家族信託で「できないこと」
❌ ① 相続人同士の感情対立の解消
信託契約があっても、
- 不公平感
- 納得できない気持ち
👉 感情問題は残ります。
❌ ② 相続税対策の自動解決
家族信託をしても、
- 相続税が減るわけではない
- 税務設計は別途必要
👉 「節税になる」は誤解です。
❌ ③ すべての財産問題の解決
- 預金
- 保険
- 年金
- 身上監護
👉 家族信託は カバー範囲が限定的 です。
5. 実務で実際に起きている失敗例

✔ 不動産だけ信託
→ 預金は未対策
→ 認知症後に口座凍結
✔ 信託契約だけ作成
→ 遺言なし
→ 相続時に争い発生
✔ 相続人全員の理解なし
→ 「聞いていない」トラブル
👉 制度単体で考えた結果です。
6. 家族信託が向いているケース
次のような場合、家族信託は非常に有効です。
- 不動産が主な財産
- 将来の認知症リスクが高い
- 信頼できる受託者がいる
- 管理・処分を柔軟にしたい
👉 ピンポイントで使うと強力です。
7. 家族信託が向かないケース

一方、注意が必要なケースもあります。
- 相続人が多く関係が複雑
- 財産が少額
- 家族関係に不安がある
- 継続的な管理が難しい
👉 この場合、
遺言・任意後見・財産管理契約
の方が適することもあります。
8. 正しい生前対策の組み合わせ設計

実務の結論は明確です。
✔ 家族信託=管理対策
✔ 遺言書=相続対策
✔ 任意後見=判断能力低下対策
👉 組み合わせて初めて完成します。
9. よくある質問(FAQ)

Q. 家族信託をすれば遺言はいりませんか?
A. 多くのケースで遺言は必要です。
Q. 家族信託は途中でやめられますか?
A. 契約内容次第で制限があります。
Q. 誰でも使うべき制度ですか?
A. いいえ。向き不向きがあります。
10. まとめ|家族信託は「強力だが限定的な道具」
家族信託は、
- 万能ではない
- 使いどころが重要
- 設計次第で効果が大きく変わる
👉 「何でも解決する制度」ではありません。

(無料相談会のご案内)
生前対策・相続対策に関する無料相談は随時受付中です(完全予約制)。
📞 電話予約:087-873-2653

🌐 お問い合わせフォームはこちら
📆 土日祝も可能な限り対応いたします。
また、相続税対策・登記相談も含めた無料相談会も開催中です:

・第3水曜開催:087-813-8686(要予約)


最新のブログ記事
家族信託を使えば万事解決?司法書士が解説する「万能神話」の落とし穴【2026年版】
「家族信託を使えば、相続も認知症も全部解決する」
最近、こうした説明を耳にする機会が増えました。
成年後見を使えば自由にできる?司法書士が警鐘する「大きな誤解」と本当の役割【2026年版】
「認知症になったら成年後見を使えば大丈夫」
「後見人がいれば、財産は自由に動かせる」
【第1回】年明けからの再スタート ― “直前期に回す道具”を作る意味
司法書士試験の合否を分けるのは「年明けから4月の過ごし方」と言われます。
この時期は新しい知識を増やすよりも、「直前期に回す道具」=自分専用の復習ツールを整えることが最重要です。
本記事では、合格者が実践した"自作の学習道具づくり"の意義と、年明けからの学習設計を具体的に紹介します。


