2024年(令和6年)4月1日に、相続登記が義務化されます。不動産を相続したことを知ったときから、3年以内に相続登記をしなければ、「10万円以下の過料」が科せられます。
また、2026年4月までに、「住所や氏名の変更」があったときも、2年以内に変更登記をしなければ、「5万円以下の過料」を課せられます。(法務局2022年12月27日発表では、施行日は今後決定されます。)
というのが概要です。
2.改正前の相続登記について
改正前だと相続登記は義務ではありませんでした。このため、相続登記が放置され何世代にもわたり相続が発生した場合、相続人の人数が増え特定するために相当の時間を費やす、もしくは特定できないといった状態が発生しています。この状態になりますと、不動産を処分や管理しようと思っても、それができないといったことが発生してしまうことになります。
3.相続登記義務化の内容について
相続登記が実施できていない不動産について相続登記を推進するために今回の改正となりました。
「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知ったときから3年以内に相続登記」となっています。
相続人に対する遺贈・相続させる旨の遺言がある場合でも同様に3年以内に相続登記をしなければ過料の対象となります。
この3年以内に相続登記をすればいいので、3年は「猶予期間」となります。
また、遺産分割協議がまとまっていなくても、法定相続分での登記が必要となりますが、この場合、法定相続分による相続登記を免れる方法がありますので、次に述べます。
4.相続人申告登記について
「相続人申告登記」とは、登記官に対し、「所有権の登記名義人について相続が開始した旨」 もしくは「自らが当該所有権の登記名義人の相 続人である旨」を申し出ることにより、登記官 が職権で当該申し出をした者の氏名および住所 等を所有権の登記に付記する制度です。
実際に、相続人申告登記をした場合の登記簿では、以下のように表示されることになります。