相談時に心掛けていること

2023年08月30日

先日、相続放棄についての無料相談と報酬についての問い合わせがありました。最終的に相続放棄を受任することになったのですが、その時に心掛けた対応などについて、備忘録として話していきます。

目次

1.問い合わせ

2.電話を切ろうとしたときに

3.解説などで心掛けたこと

4.まとめ


1.問い合わせ

 少し急いでいる様子で、電話がかかってきました。8月1日から20日まで実施していた、無料相談の予約かなと思い話を聞いてみると、相続放棄についてのご相談でした。電話対応ではよくあることなのですが、まずは自身の身分を明かさないことが多いです。

 別件の話ですが、事務所での面談をご希望される方の場合は、わざわざ遠方から来所される方が多いことです。数組、立て続けに高松市内ですが、地元に司法書士事務所があるであろう場所から、私の事務所にご相談に来られた方たちに聞いてみたことがあります。理由を聞いてなるほどと思いました。それは、「地元の先生は、付き合いが深いから、家の事情をあまり知られたくない。」とのことでした。私の同級生のご家族に相続が発生したので助けてやってほしいと、同級生の母親から私の母親に連絡があり、名刺を渡しましたが、全く連絡がありません。多分そういった事情なんだと思います。

2.電話を切ろうとしたときに

 さて、先ほどの問い合わせについて話を戻しますと、矢継ぎ早に「相続放棄をしたい」「どのくらいの費用が掛かるの」「行政書士、司法書士、弁護士の誰に頼めばいいの」などなど質問され、先方の質問が終わると電話を切られようとされましたので、「いま、置かれている状況」について少し質問をし、その後、相続放棄について対応方法などの解説を一般的な内容ではあるのですが体系立てて話をしていきました。先ほどまで、電話を切ろうとされていた様子からは一転、私の解説を熱心に聞いていました。

 こういった相談で重要なことは、最終的な目的は何なのか、それは実現可能なのか、といった点に絞られてくると思うのですが、解説の際、相手の反応を電話口で確認しながら実施したので、なんとなくですが目的が見えてきました。

 最後に、予約さえいただければ無料相談をやっているので、活用することを話しました。

3.解説などで心掛けたこと

 相手のペースで、聞かれたことだけについて答えるという対応をしていたら、結局、こちらとしても、何が本当に知りたいことだったのかわかりませんし、せっかく電話してきた相手方も、「その他大勢の一人」に私をカウントしてしまうと思います。「アイリスで相談してよかった」と言っていただくために、とはいっても今回の相談では何の解決にもなってはいないのですが、「相続放棄」の仕組みがよく理解できていなかった様子でしたので、その点については理解できたと思います。そのちょっとした理解が、得体の知れない不安を少しでも解消できるように、私なりですが、考えて対応をいたしました。先ほどまでは、次の先生に電話しないと、と焦っていた様子が消えていたことに気づきました。

 思うに、私の前に電話をした先生方では解消されず、数で当たっていく状況になっていたのかもしれません。

 まずは、相手の状況を質問して、焦りのペースを緩めること、そして冷静に話が聞ける状況で、系統立てて説明をしてあげる、この辺りが重要なんじゃないかと思います。

 とはいえ、忙しいとなかなか思うような対応ができないのが現状ですが・・・。

4.まとめ

 事務所だけでなく、法律相談会を実施しております。相続関連がメインですが、企業様の案件につきましても、ご相談には対応しています。勿論、手続きが発生するまでは、現状無料というスタンスは維持しております。おそらく、忙しくなってきた場合、完全予約制もしくは有料制に切り替える予定ですが、今はある程度ゆとりがあるので、私自身も勉強させていただくといった面もあり、無料で対応しています。

 相談者一人ひとり、置かれている状況や困りごとの種類など、全く異なります。何が問題で困っているのかをできるだけ早く見抜いて、解決に向けてのアドバイスをし、手続きが必要なら報酬をいただいて対応する。司法書士ではできない相談事もありますので、その際には、引き継ぐ他士業の先生のためにも、情報の収集は必要です。

 特に、電話で焦られている方は、期限が迫っていて焦っているのか、それとも未だ自分が欲しい内容を得られていないから焦っているのか、適切に判断し、対応することが重要になってきます。ここの点をはっきりさせることで、ずいぶんと対応が変わってきますからね。

 アイリスでは、随時、法律無料相談を受け付けています。他士業でなければ対応できない内容の場合には、提携の他士業先生にお繋ぎすることも可能です。勿論、紹介手数料はいただきません。ぜひ、アイリスの法律無料相談をご活用ください。

最新のブログ記事

令和7年5月14日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

相続登記の際、遺産分割協議書は非常に重要な書類となります。しかし、時折相談者から「やってもいない遺産分割協議についての協議書が送られてきた」といった疑問や不安の声が寄せられることがあります。このような場合、法令に違反している可能性もありますが、協議の認識に誤解がある場合も少なくありません。本稿では、遺産分割協議書が郵送された場合の対応方法や注意すべき点について、実際の事例を交えながら解説します。

相続が発生した際、遺産をどのように分割するかを決定するために、相続人全員で遺産分割協議を行います。遺産分割協議書は、その合意内容を正式に書面で残すものであり、特に不動産の相続登記を行う際に必須の書類となります。しかし、この協議書の内容が不備であったり、相続人全員の同意が得られていない場合、後々のトラブルを招くことがあります。本稿では、遺産分割協議書を作成する際に注意すべき点について詳しく解説し、トラブルを未然に防ぐための対策を考察します。

相続が発生した際、不動産の所有権移転を行うためには、相続登記を行う必要があります。一般的な相続登記では、父親が死亡し、配偶者と子供が相続人となるケースがよく見られます。この際に必要となる添付書類は、法定相続分による登記と、二次相続対策として子供に所有権を移転する場合で異なります。特に二次相続に備えるための所有権移転には慎重な準備が必要です。本稿では、それぞれのケースでの必要な書類を整理し、どのように進めるべきかを解説します。

<