1.問い合わせ
少し急いでいる様子で、電話がかかってきました。8月1日から20日まで実施していた、無料相談の予約かなと思い話を聞いてみると、相続放棄についてのご相談でした。電話対応ではよくあることなのですが、まずは自身の身分を明かさないことが多いです。
別件の話ですが、事務所での面談をご希望される方の場合は、わざわざ遠方から来所される方が多いことです。数組、立て続けに高松市内ですが、地元に司法書士事務所があるであろう場所から、私の事務所にご相談に来られた方たちに聞いてみたことがあります。理由を聞いてなるほどと思いました。それは、「地元の先生は、付き合いが深いから、家の事情をあまり知られたくない。」とのことでした。私の同級生のご家族に相続が発生したので助けてやってほしいと、同級生の母親から私の母親に連絡があり、名刺を渡しましたが、全く連絡がありません。多分そういった事情なんだと思います。
2.電話を切ろうとしたときに
さて、先ほどの問い合わせについて話を戻しますと、矢継ぎ早に「相続放棄をしたい」「どのくらいの費用が掛かるの」「行政書士、司法書士、弁護士の誰に頼めばいいの」などなど質問され、先方の質問が終わると電話を切られようとされましたので、「いま、置かれている状況」について少し質問をし、その後、相続放棄について対応方法などの解説を一般的な内容ではあるのですが体系立てて話をしていきました。先ほどまで、電話を切ろうとされていた様子からは一転、私の解説を熱心に聞いていました。
こういった相談で重要なことは、最終的な目的は何なのか、それは実現可能なのか、といった点に絞られてくると思うのですが、解説の際、相手の反応を電話口で確認しながら実施したので、なんとなくですが目的が見えてきました。
最後に、予約さえいただければ無料相談をやっているので、活用することを話しました。
3.解説などで心掛けたこと
相手のペースで、聞かれたことだけについて答えるという対応をしていたら、結局、こちらとしても、何が本当に知りたいことだったのかわかりませんし、せっかく電話してきた相手方も、「その他大勢の一人」に私をカウントしてしまうと思います。「アイリスで相談してよかった」と言っていただくために、とはいっても今回の相談では何の解決にもなってはいないのですが、「相続放棄」の仕組みがよく理解できていなかった様子でしたので、その点については理解できたと思います。そのちょっとした理解が、得体の知れない不安を少しでも解消できるように、私なりですが、考えて対応をいたしました。先ほどまでは、次の先生に電話しないと、と焦っていた様子が消えていたことに気づきました。
思うに、私の前に電話をした先生方では解消されず、数で当たっていく状況になっていたのかもしれません。
まずは、相手の状況を質問して、焦りのペースを緩めること、そして冷静に話が聞ける状況で、系統立てて説明をしてあげる、この辺りが重要なんじゃないかと思います。
とはいえ、忙しいとなかなか思うような対応ができないのが現状ですが・・・。