(論点)亡くなった方の遺産の調べ方

2024年05月10日

相続が発生したときに、相続人全員で遺産分割協議をしようにも、亡くなった方の遺産を特定できないと、分割協議の対象である遺産を確定しないと、協議ができません。どのように遺産を調べればいいのか、お話をしたいと思います。

目次

1.預貯金について

2.不動産について

3.(番外編)生命保険

4.まとめ


1.預貯金について

 亡くなった方の通帳や郵送物などから、預金している金融機関を特定します。ここで重要なのが、「パソコン」「スマホ」の中身を確認することです。最近、金融機関によっては、預金通帳を発行しない、スマホやパソコンで残高確認や送金ができるアプリなどで完結している場合もあります。また、スマホの場合、仮想通貨などのデジタル資産のアクセスツールになっている場合もあります。ですので、スマホを亡くなってすぐに解約するのではなく、良く調査してみてください。

 調査の結果、亡くなった方が保有する口座の金融機関を割り出します。そして、その金融機関の窓口に行き、亡くなった方の講座があるか調べてもらいます。(この段階で、金融機関は口座名義人が亡くなったことを知るため、口座が凍結されてしまいます。)

 おそらく、口座凍結解除のために、金融機関から、亡くなった方の戸籍と、自分が亡くなった方の相続人であることがわかる戸籍を準備するように指示があると思います。基本的には、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍、相続人の現在戸籍が必要になります。(相続人特定のため)そして、金融機関によっては、相続人全員から同意書(実印押印のもの)と印鑑証明書を求められる場合があります。これに代わるものとして、遺言書やすでに遺産分割協議を終えている場合は、そちらを要求されます。

 すでにお分かりになると思うのですが、全金融機関に網羅的に紹介する仕組みは現在ありません。通帳などから、各金融機関を調べていくことになります。

2.不動産について

 不動産が存在している各管轄する自治体の「名寄帳」を取得することで、亡くなった方の詳細な不動産の特定が可能です。ただし、不動産があるその自治体(市役所や町役場)ごとになりますので、そこを外れた不動産は、見つけることができません。

 2026年2月2日から、法務局で全国の不動産を一括名寄せができるようになります。が、現状はできません。

 法務局によっては、相続登記で名義変更をする際の登録免許税の計算の基礎となる「固定資産税評価額」の証明書として利用できない場合もありますので、名寄帳ではなく固定資産税評価証明書を取得していただくようにお願いしております。固定資産税納税通知書と一緒に送付される「固定資産税明細」についても使えるのですが、この明細に記載されているのは、固定資産税が課税される不動産のみ記載されています。公衆用道路など、評価のない土地については、この通知書では把握できませんので、固定資産税評価証明書を取得してください。

3.(番外編)生命保険

 契約者が亡くなった方で、受取人を相続人とした生命保険の保険金は、法律上は、相続財産ではなく、受取人の財産となりますので、番外編とさせていただきました。

 こちらも、亡くなった方の戸籍と自分が相続人と分かる戸籍を集めます。そして、「生命保険契約紹介制度」を利用します。インターネット経由で照会を行いますので、集めた戸籍類をPDFにし、ホームページからアップロードします。この紹介制度を利用するには、利用料3000円がかかりますので、クレジットカードで決済ます。

4.まとめ

 相続の手続きに必要な戸籍類については、事前に法務局にて、「法定相続情報証明制度」を利用して、「法定相続情報一覧図」を入手しておくと、手続きが楽になります。費用は掛かりませんし、戸籍の束を持ち歩く必要もありませんので、お勧めです。

 また、令和6年4月1日から、法定相続情報に割り振られます「法定相続情報番号」を相続登記の申請書に記載することで、法定相続情報一覧図の添付を省略できるようになっております。

 このように、財産の種類によって、手続きが異なります。詳しくは専門家に相談しましょう。

 アイリスでは、相続関連(相続登記だけでなくその生前対策も)の無料相談を随時受け付けております。いろいろとお話を聞くために、あえて時間設定は設けておりません。ただし、予約優先となりますので、必ず事前にお電話で予約をしてください。手続きが発生するまでは、相談の費用は掛かりません。(登記の方法を教えてほしい等、ノウハウを相談事項とする方は、ご遠慮ください)

 また、別事務所で「相続法律・税務無料相談会」を月1で実施しております。こちらは完全予約制になっておりますので、必ず事前に電話で予約状況を確認の上、予約を確定してください。

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