(論点)遺言書に関する統計データについて

2025年05月14日

遺言書の作成に関する普及についての統計は、いくつかの公的機関や調査機関によって報告されています。特に、自筆証書遺言の保管制度が導入された2019年以降、遺言書の作成が普及していることがわかるデータがあります。

目次

1. 法務局による自筆証書遺言書保管制度の利用状況

2. 遺言書作成率のアンケート調査

3. 遺言書に関する相談件数の増加

4. 遺言書に関するセミナーや講座の開催数


1. 法務局による自筆証書遺言書保管制度の利用状況

 法務省のデータによると、2019年7月に開始された「自筆証書遺言書保管制度」の利用者数は年々増加しています。開始から約1年後の2020年6月までに、全国の法務局に保管された自筆証書遺言書の件数は約12,000件を超えました。これは、従来の自筆証書遺言が抱えていた紛失や改ざんのリスクを軽減する制度の効果が現れていると考えられます。

 また、2023年の統計では、保管件数が年間20,000件を超えたという報告もあり、遺言書作成に対する関心が高まっていることが示されています。

2. 遺言書作成率のアンケート調査

 民間の調査機関によるアンケート調査では、遺言書を作成している人の割合が徐々に増加していることが示されています。2022年の調査によると、60歳以上の人の約30%が遺言書を作成しているか、作成を検討しているとの結果が出ています。特に、高齢者の間で、相続トラブルを避けるために遺言書を用意することが一般化しつつあることがわかります。

3. 遺言書に関する相談件数の増加

 全国の司法書士会や弁護士会への遺言書に関する相談件数も増加しています。日本司法書士会連合会によると、遺言書に関する相談は2010年代以降年々増加傾向にあり、2020年から2022年にかけては特に大幅に増加しています。これには、法改正による遺言書保管制度の導入や相続トラブルの増加が影響していると考えられます。

4. 遺言書に関するセミナーや講座の開催数

 遺言書の作成に関するセミナーや講座の開催数も増加しています。自治体や民間企業による遺言書作成セミナーの開催件数は、2019年以降急増しており、多くの高齢者やその家族が遺言書作成に関する情報を学ぶ機会が増えています。

 これらのデータから、遺言書作成の普及は着実に進んでいることがわかります。特に法務局の自筆証書遺言書保管制度の利用が広がることで、遺言書の作成に対するハードルが下がり、今後もさらに多くの人々が遺言書を作成するようになると予想されています。

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