アイリスだより

近時の法改正情報等

アイリスだより

 はじめまして。アイリス国際司法書士・行政書士事務所の代表、司法書士の橋本大輔です。

 当事務所は、「わかりやすく、誠実に、そして親身に」をモットーに、相続・遺言・家族信託・生前対策などの"人生の大切な節目"をサポートする法律実務を行っております。

 私はこの分野において、「依頼者の不安を取り除くこと」が何よりも大切だと考えており、その一環として、2022年より相続や登記に関する情報を毎日のようにブログで発信してきました。法律はどうしても専門的で難解になりがちですが、それを生活者の視点から"翻訳"してお届けするのが、私の役割の一つだと考えています。

 このブログは、私自身が企画・執筆・運営すべてを行っており、机上の知識ではなく、日々の現場で感じたことや実際の相談事例(守秘義務に配慮のうえ)を通じて得られた"生の情報"をもとに書いています。AI全盛の時代前から、毎日更新で皆様に配信してきました。

 どんなに小さなお悩みでも、お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。皆さまの未来が少しでも安心できるものになるよう、全力でお手伝いいたします。

現代のビジネス環境では、マルチタスクや絶え間ない情報の流入が日常的に行われており、多くの人が一度に複数の仕事をこなすことを余儀なくされています。しかし、その一方で、作業効率を著しく低下させる心理現象である「注意残余(attention residue)」が生じることが少なくありません。この「注意残余」とは、一つの作業から別の作業に切り替えた際に、前の作業に対する注意や思考が頭に残り、新しい作業に十分集中できなくなる現象です。この記事では、この「注意残余」が作業効率に与える影響や、それを軽減するための対策について詳しく解説します。

相続において、遺留分は法定相続人が最低限取得できる財産の割合を指し、被相続人の意思に反しても保障されています。しかし、相続発生前に遺留分を放棄することは可能であり、その際には家庭裁判所の許可が必要です。本稿では、相続放棄が被相続人の生前には行えない理由を説明し、生前に可能な遺留分の放棄について、家庭裁判所の判断要件を詳述します。

生前贈与は、相続税対策として有効な手段です。特に不動産の贈与においては、持分移転を活用することで贈与税の負担を軽減し、相続時のトラブルを未然に防ぐことが可能です。本稿では、生前贈与の一般的なテクニックと、特に不動産の持分移転に焦点を当てて解説します。

令和8年4月1日より、法務省は登記官が職権で住所変更登記を行う制度を導入します。この新制度の実施に先立ち、名義人との連絡を円滑に進めるための手続きが整備されます。本記事では、法務省のホームページに掲載された情報を基に、「検索用情報の申出書」および登記申請書の追加項目について詳しく説明します。これらの新たな手続きは、登記実務における効率化を目指し、住所変更にかかる煩雑な手続きを軽減するものです。

相続が発生した際、預貯金の取り扱いについては注意が必要です。特に、亡くなった方が生前に行った贈与が「みなし預金」とされる場合、相続税の課税対象となる可能性があります。みなし預金とは、亡くなった方が亡くなる前に贈与を行った場合であっても、特定の条件を満たすと、実質的には亡くなった後の遺産とみなされるものです。そのため、生前贈与を行う際には適切な計画と手続きが重要です。本稿では、みなし預金とされないための生前贈与のポイントを解説し、賢く財産を引き継ぐ方法について考察します。

生前贈与は、相続税の負担を軽減するための有効な手段として広く知られていますが、税務上および法律上のリスクを伴う行為でもあります。生前贈与を考える際には、贈与税の基礎控除額である110万円を超える場合の課税の可能性を踏まえた検討が必要です。また、相続時には遺留分の問題が生じるため、特定の相続人への贈与が「特別受益」として扱われ、他の相続人との間で不公平感が生じる可能性もあります。

近年、高齢者の相続対策の一環として、生前贈与が注目されています。生前贈与は、遺産を遺す前に財産を譲渡することで、相続時の税負担を軽減したり、資産分配を円滑に進めたりする目的で利用されることが多いです。しかし、生前贈与は遺留分との関係で注意が必要です。遺留分は法定相続人に保障された最低限の権利であり、生前贈与が過度に行われると、遺留分権利者の利益を損なう可能性があるため、法律上の争いが生じることも少なくありません。

令和7年度の司法書士試験が近づく中、各予備校による試験分析が発表され、その情報を基にした対策が重要視されています。司法書士試験は法改正や過去の出題傾向を反映するため、最新の情報を取り入れた効率的な学習が鍵となります。本稿では、各予備校の分析を基に、今年度の試験に向けた有効な対策について解説します。

事前完ぺき主義とは、物事を始める前に完璧な準備を整えようとする考え方を指します。特にビジネスやプロジェクト、また個人の目標達成において、事前に全てを準備してから行動に移そうとする人が多く見られます。しかし、この「完璧を追求する姿勢」が時に大きな問題を引き起こすことがあります。それは、機会を逃し、行動するタイミングを逸してしまい、後で大きな後悔を抱えることです。今回は、事前完ぺき主義の罠に焦点を当て、その影響と対策について解説します。

相続手続きにおいて、被相続人の不動産を正確に特定することは非常に重要です。現状では、各市区町村役場で「固定資産税評価証明書」を取得して、被相続人が所有する不動産を確認することが一般的ですが、家族が知らない県外の不動産がある場合、その特定は困難となり、相続登記に漏れが生じるリスクがあります。このような課題を解決するため、2026年2月に施行予定の「所有不動産記録証明制度」が導入されることが決定しました。この制度により、法務局で全国の登記簿謄本を一括して確認し、所有者ごとに不動産を名寄せすることが可能となります。

日本における相続手続きにおいて、遺産の範囲を確定することは非常に重要なステップです。しかし、遺産の範囲を確定するには、単に被相続人が生前に所有していた財産を確認するだけではなく、隠れた資産や負債、不動産の権利関係、遺言書の内容、さらには法律上の解釈の問題など、さまざまな要素が絡み合うため、しばしば複雑な問題が発生します。本稿では、遺産の範囲を確定する際に生じる主な問題点と、それに伴う対策について論じます。

相続手続きを円滑に進めるためには、まず相続人の範囲を確定することが必要です。しかし、状況によっては相続人の確定が難航し、手続きが大幅に遅れることもあります。特に、前妻との子供が存在する場合や、長期間にわたって相続登記が行われていない場合など、調査が複雑化するケースでは、相続人を確定することが難しい課題となります。本記事では、相続人確定に立ちはだかるハードルとその具体的な例について説明します。