なぜ“まだ元気”なうちに考えるべきなのか?|相続・認知症・空き家問題を後回しにしてはいけない理由

2026年06月16日

「相続のことを考えるには、まだ早い」

多くの方がそう感じています。

確かに、元気なうちから相続の話をするのは、少し縁起でもない気がするかもしれません。

しかし、司法書士として相談を受けていると、実際には、

"元気なうちに考えていた家族"と、"何も準備していなかった家族"では、その後の負担が大きく違う

ことを強く感じます。

特に最近は、

  • 相続登記義務化
  • 認知症による財産凍結
  • 空き家問題
  • 家族関係の複雑化
  • 県外に住む子どもの増加

などにより、「相続が起きてから考える」では遅いケースが増えています。

では、なぜ"まだ元気"なうちに考える必要があるのでしょうか。

今回は、「未来設計(相続・生前対策)」という視点から、その理由をわかりやすく解説します。

目次

1.生前対策はいつ始めるべきなのか
2."まだ元気だから大丈夫"が危険な理由
3.認知症になると何ができなくなるのか
4.相続登記義務化で変わった現実
5.香川県・徳島で増える空き家問題
6.家族を困らせないために今できること
7.まとめ|生前対策は「早すぎる」くらいがちょうどいい


1.生前対策はいつ始めるべきなのか

まず結論から言うと、

生前対策は「困ってから」ではなく、「まだ元気な今」始めるべきです。

なぜなら、生前対策には、

"元気なうちしかできないこと"

が多くあるからです。

例えば、

  • 遺言書作成
  • 家族信託契約
  • 任意後見契約
  • 財産整理
  • 家族との話し合い

これらは、本人の意思能力がしっかりしていることが前提です。

つまり、

「必要になったら考えよう」

では、間に合わない場合があるのです。

実際、相談現場でも、

「もっと早く相談していれば…」

という声は少なくありません。

2."まだ元気だから大丈夫"が危険な理由

相続相談でよく聞く言葉があります。

それが、

「うちはまだ元気だから大丈夫です」

です。

しかし現実には、

「元気だった」は突然終わることがあります。

(1)突然の病気

脳梗塞や心疾患などにより、急に判断能力が低下するケースがあります。

昨日まで元気だった方が、突然入院し、

「本人に確認できない」

状態になることも珍しくありません。

(2)認知症の進行

認知症は、少しずつ進行します。

そして、

「まだ大丈夫」

と思っていた頃には、法的な契約が難しくなることがあります。

実際、

"認知症になってからでは遅い"

対策が非常に多いのです。

(3)家族関係の悪化

相続問題は、お金だけの話ではありません。

むしろ、

「感情」の問題

になることが多いです。

親が元気なうちに話していれば防げた誤解が、相続後に大きな争いへ発展することもあります。

3.認知症になると何ができなくなるのか

近年、最も相談が増えているテーマの一つが、

認知症対策

です。

なぜなら、認知症になると、

本人の意思確認が必要な手続きが難しくなるからです。

例えば、

(1)不動産売却

実家を売却したくても、所有者本人が認知症の場合、自由に売れなくなる可能性があります。

成年後見制度が必要になることもありますが、

「柔軟な財産管理が難しくなる」

という課題もあります。

(2)預金管理

金融機関によっては、認知症リスクが高い場合に口座取引が制限されることがあります。

家族が生活費を引き出せず困るケースもあります。

(3)生前対策

認知症になると、

  • 遺言書
  • 家族信託
  • 生前贈与の整理

などが難しくなる可能性があります。

そのため、

認知症対策は「元気な今」しかできない準備

と言っても過言ではありません。

4.相続登記義務化で変わった現実

2024年から、

相続登記が義務化

されました。

これにより、

「そのうちやろう」

が通用しなくなっています。

相続で不動産を取得したことを知ってから、

3年以内に相続登記申請

を行う必要があります。

香川県・徳島では、

  • 実家の土地
  • 農地
  • 空き家
  • 祖父名義の不動産

が残っているケースも多く、

「相続発生後に初めて問題を知る」

家庭が少なくありません。

しかし、相続が起きてからでは、

相続人同士の意見調整に時間がかかることもあります。

だからこそ、

元気なうちに不動産名義を確認しておくこと

が非常に重要なのです。

5.香川県・徳島で増える空き家問題

地方では、

空き家問題=相続問題

と言っても過言ではありません。

特に香川県・徳島では、

子ども世代が県外に住んでいるケースが増えています。

その結果、

「実家を相続したが管理できない」

という問題が起こります。

空き家を放置すると、

  • 老朽化
  • 草木繁殖
  • 近隣トラブル
  • 固定資産税負担
  • 売却困難

など、問題が複雑化します。

しかも、

名義変更が済んでいないと、

売却も解体も進まない

場合があります。

つまり、

空き家問題の本質は、

"生前対策不足"

であるケースも少なくないのです。

6.家族を困らせないために今できること

では、今から何をすればよいのでしょうか。

難しく考える必要はありません。

まずは次の3つで十分です。

(1)財産を整理する

何を持っているかを書き出してみましょう。

  • 預金
  • 不動産
  • 保険
  • 借入

などです。

(2)家族と話す

完璧に決める必要はありません。

ただ、

「実家をどうしたいか」

「誰に負担をかけたくないか」

を話すだけでも違います。

(3)専門家へ早めに相談する

相続は、

法律・税務・不動産・家族問題

が複雑に絡みます。

だからこそ、

"問題が起きる前"の相談

に大きな価値があります。

7.まとめ|生前対策は「早すぎる」くらいがちょうどいい

生前対策は、

「亡くなる準備」

ではありません。

本当は、

家族が将来困らないための準備

です。

特に、

  • 認知症
  • 相続登記義務化
  • 空き家問題
  • 家族間トラブル

は、後回しにするほど選択肢が減っていきます。

だからこそ、

"まだ元気だから"こそ考える。

これが、未来設計の第一歩なのです。

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