相続の相談でいちばん多い失敗は、
「税理士に行ったら登記の話ができず、司法書士に行ったら税金が分からない」ことです。
放置された相続のリアル事例|「そのうち」が家族を苦しめる本当の理由

「もっと早く相談しておけばよかった」
相続相談の現場で、非常によく聞く言葉です。
相続問題は、
"相続が始まってから"起きるもの
と思われがちです。
しかし実際には、
"放置"によって問題が大きくなる
ケースが少なくありません。
特に、
- 相続登記をしていない
- 実家をそのまま放置
- 認知症対策をしていない
- 家族で話し合っていない
- 遺言書がない
という状態では、
何気ない「そのうち考える」が、
数年後、
大きな家族問題
へ変わることがあります。
香川県・徳島では、
実家・土地・空き家問題が相続と密接に関係しやすく、
"昔の相続"が今の問題になる
ことも珍しくありません。
今回は、
放置された相続のリアル事例
をもとに、
「なぜ問題が起きたのか」
そして、
「どうすれば防げたのか」
を司法書士の実務視点から解説します。
※事例は実務上よくあるケースを一般化・再構成しています。
目次
1.事例① 祖父名義のまま30年放置された土地
2.事例② 認知症で実家が売れなくなったケース
3.事例③ 県外兄弟で空き家が放置されたケース
4.事例④ 「家族仲が良い」が招いた感情対立
5.放置相続に共通する問題点
6.未来設計(相続・生前対策)で防げたこと
7.まとめ|「そのうち」が最大リスクになる
1.事例① 祖父名義のまま30年放置された土地

相談者は50代男性。
父が亡くなり、
実家整理を始めたところ、
衝撃の事実が分かりました。
土地が祖父名義のまま
だったのです。
しかも、
祖父が亡くなったのは30年以上前。
その間、
相続登記は一切されていませんでした。
調べると、
相続人は増え、
県外居住者も多数。
さらに、
亡くなっている相続人もおり、
"数次相続"
が発生していました。
結果として、
必要書類の収集だけでも大きな負担となり、
手続きは長期化。
相談者は、
「父の代でやっておけば…」
と後悔されていました。
特に2024年以降は、
相続登記義務化も始まり、
"放置"のリスク
は以前より大きくなっています。
2.事例② 認知症で実家が売れなくなったケース

70代女性の親が施設入所。
実家を売却し、
介護費用へ充てたい。
しかし、
その時すでに、
親の認知症が進行
していました。
結果として、
本人意思確認が難しくなり、
手続きが簡単には進まない状況に。
家族は、
「元気なうちに相談すればよかった」
と話していました。
実際、
認知症になると、
次のことが難しくなる可能性があります。
- 不動産売却
- 生前贈与
- 遺言書作成
- 財産整理
- 相続対策そのもの
つまり、
"対策を始めたい時には遅い"
ケースがあるのです。
3.事例③ 県外兄弟で空き家が放置されたケース

親が亡くなった後、
実家が空き家になったケースです。
兄は東京。
妹は大阪。
誰も地元に住んでいません。
すると、
最初は、
「そのうち考えよう」
でした。
しかし数年後、
実家は、
- 草木繁殖
- 雨漏り
- 老朽化
- 近隣苦情
が発生。
さらに、
固定資産税負担だけが続きます。
すると今度は、
「誰が管理する?」
「なんで私ばかり?」
という感情対立へ。
結果として、
"空き家問題が家族問題"
へ変わってしまいました。
地方では、
子ども世代が県外に住むケースが増えており、
これは非常に多い相談です。
4.事例④ 「家族仲が良い」が招いた感情対立

「うちは仲が良いから大丈夫」
そう思っていた家族。
しかし、
親が亡くなった後、
空気が変わります。
きっかけは、
実家を誰が継ぐか
でした。
長男は、
「介護をしてきた」
と言います。
一方、
弟は、
「財産を独り占めでは?」
と感じます。
誰も悪気はありません。
しかし、
親の意思が不明。
遺言書もなし。
結果として、
"感情のすれ違い"
が大きくなりました。
相談時には、
兄弟関係が悪化
していたケースです。
これは決して珍しい話ではありません。
むしろ、
"普通の家族"ほど起きる
問題です。
5.放置相続に共通する問題点

事例は違っても、
共通点があります。
それは、
"先延ばし"
です。
多くの家庭では、
次の状態が続いています。
- 財産状況が不明
- 実家名義を確認していない
- 家族で話していない
- 遺言書がない
- 認知症対策が未実施
つまり、
問題は、
相続そのものではなく"準備不足"
なのです。
6.未来設計(相続・生前対策)で防げたこと

では、
どうすれば防げたのでしょうか。
答えは、
"元気な今"の準備
です。
例えば、
(1)相続登記確認
実家や土地の名義を確認する。
祖父名義なら要注意です。
(2)認知症対策
家族信託、
任意後見、
財産管理契約。
必要性を検討します。
(3)遺言書
親の意思を明確にします。
(4)家族会議
実家をどうするか。
介護方針をどう考えるか。
少し話すだけでも違います。
これが、
未来設計(相続・生前対策)
の考え方です。
7.まとめ|「そのうち」が最大リスクになる

相続問題は、
突然起きるように見えて、
実は、
"何もしない時間"
の積み重ねで大きくなることがあります。
そして、
最も多い後悔は、
「もっと早く相談すればよかった」
です。
だからこそ大切なのは、
"元気な今"
です。
未来設計とは、
相続対策だけではありません。
"家族を困らせない準備"
なのです。
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