【第9回】遺言書はどの種類を選ぶべき?自筆・公正証書・秘密証書の特徴と書き方ポイント

2025年07月28日

遺言書には自筆・公正証書・秘密証書の3種類があります。どれを選ぶべきかは目的や状況によって異なります。本記事では、司法書士がそれぞれの違いやメリット・デメリット、書き方の注意点をわかりやすく解説します。

📑目次

  1. 遺言書を作る目的とは?
  2. 遺言書の3つの種類と特徴
  3. 各方式のメリット・デメリット
  4. 遺言書の内容でよくあるトラブルとその対策
  5. 書き方の基本ルールと注意点
  6. こんな方には遺言作成をおすすめ
  7. 無料相談・作成支援のご案内
  8. まとめ:「家族の安心」は明確な遺言から

1. 遺言書を作る目的とは?

 遺言書は、亡くなったあとの「遺産の分け方」や「想い」を残すための法的文書です。
 トラブル防止のために「遺言はあった方がいい」とはよく言われますが、具体的には次のような目的があります:

  • 相続人の間での争いを防ぐ
  • 特定の人に財産を多く遺したい
  • お世話になった人へ財産を渡したい(例:内縁の妻、介護者など)
  • 子どもがいない夫婦の財産行き先を明確にしたい
  • 相続人がいない場合の財産の寄付や活用先を決めたい

2. 遺言書の3つの種類と特徴

遺言書には、法律で認められている以下の3つの方式があります。

①自筆証書遺言

 本人がすべて手書きで作成する遺言書

➁公正証書遺言

 公証役場で公証人が作成する遺言書

③秘密証書遺言(実務上ほとんど取り扱いはありません)

 内容を秘密にしたまま公証人に提出する遺言書

3. 各方式のメリット・デメリット

自筆証書遺言

メリット:

  • 費用がかからない(用紙とペンだけ)
  • いつでも自分で書ける
  • 内容を完全に秘密にできる

デメリット:

  • 書式ミス・不備で無効になるリスク
  • 家庭裁判所の「検認手続き」が必要
  • 紛失・改ざん・破棄のリスクあり

※現在は法務局での「自筆証書遺言の保管制度」も利用可能(別途手数料)

公正証書遺言

メリット:

  • 公証人が作成するため法的に確実
  • 家庭裁判所の検認不要
  • 原本が公証役場に保管されるため紛失の心配なし

デメリット:

  • 公証人との打合せが必要
  • 証人2人が必要
  • 費用(数万円〜)がかかる

秘密証書遺言

メリット:

  • 内容を他人に知られずに済む
  • 公証役場で「遺言があること」を証明できる

デメリット:

  • 内容の有効性はチェックされないため無効リスクあり
  • 家庭裁判所の検認が必要
  • 現在は利用者が非常に少ない

4. 遺言書の内容でよくあるトラブルとその対策

よくある失敗例

  • 「長男に全部相続させる」とだけ書いてしまい、他の相続人との争いに
  • 特定の不動産を複数人に渡したいと書き、分割が不可能に
  • 書いた日付がなく無効に(例:〇月吉日)
  • 書き換えた形跡があると判断され、裁判沙汰に

司法書士からのアドバイス

  • 財産の特定は正確に(例:高松市〇〇町1番地の土地)
  • 相続人以外に財産を渡す場合は「遺贈」と明記
  • 誰に何を渡すか不明確にしない
  • 「付言事項」で家族への想いを残すのも効果的

5. 書き方の基本ルールと注意点

 特に自筆証書遺言を作成する場合、以下の要件を必ず守る必要があります。

📝自筆証書遺言の要件

  • 全文・日付・氏名を自筆で書くこと(代筆・PC印刷は無効)
  • 押印すること(認印でも可だが実印推奨)
  • 財産の記載は具体的に明確に
  • 訂正箇所がある場合、訂正方法も記入(訂正印など)

💡ポイント

  • 複数枚になるときは、すべてに署名と押印
  • 書き損じたときのために下書きを用意してから清書
  • 保管場所も決めておき、信頼できる人に知らせておく

6. こんな方には遺言作成をおすすめ

次のような方には、公正証書遺言の作成を強くおすすめします:

  • 子どもがいない夫婦
  • 相続人が多い、または疎遠
  • 自分の死後に介護者や知人へ財産を渡したい
  • 相続人の間で揉めることが予想される
  • 相続人がいない(→遺言がないと国庫帰属)

また、高齢や病気のある方は、早めの作成が何より大切です。

7. 無料相談・作成支援のご案内

「どの方式で遺言を書くべきかわからない」
「内容の整理や文案を一緒に考えてほしい」
そんな方は、当事務所の無料相談をご利用ください。
公証役場との連携、証人の手配、相続税への配慮も含め、トータルで支援いたします。

📌【1】司法書士による無料個別相談(予約制)

  • 対応時間:平日9:00〜17:00(※土日祝も事前予約で対応)
  • ご予約方法:
     📞 087-873-2653
     🌐 Webフォーム → 公式サイトはこちら

📌【2】税理士と合同の無料相談会(毎月第3水曜開催)

  • 内容:遺言・相続・贈与・税金対策をまとめて相談可能
  • 詳細案内:こちらから
  • ご予約電話:📞 087-813-8686

8. まとめ:「家族の安心」は明確な遺言から

遺言書は、「争族」を防ぎ、ご本人の想いを正しく伝えるためのツールです。
曖昧なままではかえってトラブルの種になります。
ご自身の状況に合った方式を選び、法的に有効で、想いが届く形の遺言を整えておきましょう。

📞 無料相談は087-873-2653まで/WEBフォームからも受付中
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アイリスあんしん終活相談所

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