事業承継(同族会社)③バックスケジュールを立てましょう。やることてんこ盛りです。

2022年09月21日
図はあくまでイメージです。
図はあくまでイメージです。

起業の代替わりの事業承継について、「いつまでに」実施するのかを明確にしたうえで、そのデッドラインを基準に、「バックスケジュール」を立てましょう。バックスケジュールとは、例えば、2028年までに息子に引き継がせるから、その前の年までには〇〇をして、その前の年までには□□を済ませて・・・・という風にスケジューリングをする手法です。もし、やらなければならない事柄が多いようですと、デッドラインを変更しなければなりません。無理のない計画を立てましょう。

特に、同族会社の場合、一族への承継の意向を明確にして、その協力関係をしっかり構築しておく必要性があります。私がかかわった案件ではないのですが、この一族への意向(コンセンサス)がうまく取れていなかったばかりに、廃業に追い込まれたケースがありました。詳しくはかけないのですが、土地は父親所有、その上の建物は法人所有としているものでしたが、相続が発生し、次男様がその法人を継ぐことになり、父親の生前から一緒に事業を切り盛りしていました。相続発生後、長男様が別の場所で同様の事業を営まれており、そちらはそちらで事業をしていたのですが、土地の所有権を主張され、裁判沙汰にまでなり、結局、土地を代償分割により処分して次男様は引き継いだ事業を廃業せざるを得ませんでした。

上記の例でも分かる通り、同族会社は、一族の協力体制があればその求心力で事業の拡大を図ることができますが、コンセンサスがとれていないと、このような結果も起こりうるということを知っておいてください。

社内に承継に対する意向を明らかにすることです。社長がいつまでも「息子にはまだまだ・・・・」と言っていたら、社内の従業員の中で、承継するのはわかるが、いつになったらやるんだろうと不安になってしまいます。

財務・税務の具体的な備えを早めに実施することです。現状、中小企業庁が発表している税制優遇制度なんかもありますので、早めに対策をすることをお勧めいたします。あるのは知ってるけどよくわからないとおっしゃられる方もいますが、この優遇税制も期限付きです。わからない場合には、専門家に相談されることをお勧めいたします。

いろいろな事例を見てきて思うことなのですが、社長のブレーン(右腕の方)の世代交代もお考え下さい。社長のブレーンは、社長の哲学に則って行動します。息子さんに承継したときに、改革や革新を計ろうとした場合、「先代はそのようなことはなさりませんでした」と言い、現社長の意向に反対する場合が出てくる可能性があるからです。ブレーンの方には不満が残るかもしれませんが、ブレーンの承継も必要なのです。今後のことも考えて検討してみてください。

アイリス国際司法書士事務所では、中小零細企業様の事業承継を円滑に進めるために、高松商工会議所へのご登録をいたします。補助金の対象に該当する場合には、費用が圧縮される場合がありますので、ぜひ無料相談にご参加ください。あらかじめ、お電話いただいてご予約いただければご対応いたしますので、宜しくお願いいたします。

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