事業承継⑥第三者承継(M&A)の落とし穴

2022年09月24日

今回の記事は、私が司法書士という法律の専門家として、事業承継業務をやろうと思ったきっかけになった話です。日本のM&Aの90%は、中小企業なんです。そして、本来「親族内承継」をすれば丸く収まる話をわざわざ「第三者事業承継(M&A)」に切り替えて話を進めておられる社長さんのうわさをよく耳にします。しかしです、社長様が手塩にかけて育ててきたその事業を第三者に譲渡したがために、本来持っていた良さを失う可能性も大いにあるわけです。ましてや、M&A仲介業者のインセンティブ(売上・利益)のために、食い物にされている可能性もあるわけです。この辺りの裏事情をお話ししていきます。

とある同業者に、「事業承継ってM&Aだろ。」と言われました。まあ、一般人の認識ではそうなんだろうなと思いました。中小企業庁も第三者事業承継を勧めているようですが、その仲介業者というのが、全ての業者ではありませんが、私は非常に怪しいと思っています。

M&Aの仲介業者全てが怪しいというわけではなくて、M&A仲介により得られる手数料目当てのほとんど素人のような業者が暗躍していることも知っています。社長様に客観的に考えていただきたいのです。

まず、事業承継について、様々な専門分野が存在するため当然法律面のサポートだけでは足りません。他士業との連携が必要です。ここまで専門性が問われるのに、M&A仲介をするのに国家資格は必要なのでしょうか?

不動産の取引には、「宅地建物取引士」という資格が必要です。税務関連は「税理士」、事業の立て直しなんかは「公認会計士」の範疇になると思います。

答えは、現状何も必要ありません。ですので、「手数料目当て」の素人集団たる業者も多く存在します。

それでは、別の視点から見てみましょう。「売り手」と「買い手」の間に利害関係はないのでしょうか?ありますよね。「売り手」はできるだけ高く売りたいし。「買い手」はできるだけ安く買いたい。民事裁判でも原告・被告の訴訟代理人を同じ弁護士が引き受けるなんてことはありません。利害が相反するからです。やったら懲戒されます。

公正が保たれない状況下においては、どちらか一方に加担してしまう両者の仲介なんて本来できないはずなんです。なのに大々的にやってるじゃないですか。特に上場している企業なんかは、利益を生み出し続けなければならないんです。売れればいいんです。そうすれば、手数料が発生しますから。

本当の意味において、2025年問題の解決を図るべくM&Aを推進するのは良いのですが、「親族内承継」「従業員承継」といった道も提案するのが筋だと思います。

だからこそ、社長様!ご自身が勉強してこのような悪徳な業者に騙されないようにすることが必要です。その手助けの一端が担えればと思い、各団体、金融機関に営業をかけている次第です。

病気になったとき、いろいろな治療法があるのに「M&A」一択で話をする業者にはお気を付けください。社長様の事業や承継者については、このような業者は関心がないと思います。確かに、重篤化した後継者不存在に対する「切り札」としてM&Aを活用することはいいと思うのですが、専門家の医者なら薬で直るのに手術は提案しないと思います。

アイリス国際司法書士事務所では、中小零細企業様の事業承継を円滑に進めるために、高松商工会議所へのご登録をいたします。補助金の対象に該当する場合には、費用が圧縮される場合がありますので、ぜひ無料相談にご参加ください。あらかじめ、お電話いただいてご予約いただければご対応いたしますので、宜しくお願いいたします。

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