令和6年4月1日相続登記義務化(相続登記義務化の問題点)

2023年11月14日

令和6年4月1日に義務化される相続登記ですが、その問題点について考えていきたいと思います。公の法律無料相談会に参加した場合でも、相続登記の申請書類の書き方で持ち込まれる方も結構な数の事例がありました。費用的な面も考えて自分で挑むことは良いのですが、やはり手続きなど複雑な点が多いですよね。

目次

1.相続登記申請の添付書類

2.相続登記に係る費用(本人申請の場合)

3.手続きを専門家に任せるという意味

4.まとめ


1.相続登記申請の添付書類

 まず、相続が発生した場合、被相続人(亡くなった方)名義の不動産がある場合、相続登記をして名義の変更を申請することになります。現状では義務ではありませんが、令和6年4月1日より義務化となります。その際に収集する書類を見ていきましょう。今回は、数次相続など発生しておらず、相続人が配偶者・子の場合を想定しています。複雑な相続の場合には、専門家にご相談ください。

 ①戸籍

  戸籍は、被相続人(亡くなった方)と、相続人の関係を証明するために必要な書類となります。この場合、「法定相続情報一覧図」を法務局に事前に申請をして、提出する戸籍の代わりとすることができます。法定相続情報一覧図を使わない場合、戸籍は、被相続人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍が必要となります。そして、各相続人の現在の戸籍も必要です。

 ➁戸籍の附票又は住民票の除票

  次に、相続登記前の所有者である被相続人の登記簿上の住所が、現住所と異なる場合、戸籍の附票又は住民票の除票が必要となります。登記官が名義人の本人かどうかの判断を氏名と「住所」で特定しているためです。

 ③相続登記後に名義人となる相続人の住民票の写し

  当該不動産を遺産分割協議により受け継ぐ場合に、名義人となる相続人の住民票の写しが必要となります。

 ④遺産分割協議書と印鑑証明書

  遺産分割協議により、名義人を指定した場合には、遺産分割協議書と遺産分割協議書に相続人全員の署名、実印の押印をした後、印鑑証明書を添付することになります。この印鑑証明書には、期間の制限はありません。

 ※金融機関などでの手続きには、印鑑証明書に期間制限を設けている場合がありますので、対象の金融機関の窓口にご確認ください。

 ➄申請書

  申請書の書き方につきましては、法務局HPにサンプルがありますので参考にしてみてください。

 以上となります。ただし、原本のみを添付した場合には、申請後に添付書類の返却はされません。相続登記以外の申請手続きに原本が必要な場合には、「原本に相違ない旨」の記載と署名・押印した写しを添付することで、「原本還付」を受けることができます。

 さらに複雑な相続(数世代にわたり相続登記をしていないなど)登記の申請につきましては、さらに添付書類が増えます。

2.相続登記に係る費用(本人申請の場合)

 よく、司法書士にお願いしたら20万円もかかったという話を聞きますが、本当に20万円が司法書士の懐に入るのでしょうか?おそらく、実費を総額から省いていない金額で話をされていると思います。

 司法書士に頼まなくてもかかる費用として

 ①戸籍・住民票・印鑑証明書・固定資産評価証明書などの取得費用

 ➁登録免許税(不動産の評価額の1000分の4)

があります。不動産の物件数が多い場合には、司法書士の報酬は、20万円ぐらいになる場合がありますが、物件数が少ないと8万円から十数万円程度になると思います。(戸籍等については、ご自身で取得されることが前提)

3.手続きを専門家に任せるという意味

 シンプルな相続登記ばかりではありません。法務局に何度も足を運び、添付書類を一つ一つ確認して、申請する時間がある方は、ご自身で申請されてもいいともうのですが、複雑な相続登記となると、なかなか困難になってきます。また、イレギュラーな相続登記も存在します。そんな時、専門家に任せるという選択肢もあると思います。

 私が受任した相続登記に関しましても、1か月要する案件もありましたので、これを個人で実施するとなると、それなりに期間を要することになってしまうと思います。

 一生のうちで、何度もあるものではありません。専門家に任せるという選択もありかと思います。

4.まとめ

 アイリスでは、相続登記を受任する際に、相続税等に不安がある方に対し、相続専門の税理士の無料相談会をご案内しております。「ワンストップサービス」にて、相続で悩まれている方の不安解消のために、全力で取り組んでおります。

 また、アイリスでも相続法律無料相談を実施しております。電話予約は必要となりますが、ぜひ、ご活用ください。

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