会社定款の株主総会資料を会社HPからダウンロードする条項

2023年08月03日

令和4年9月1日より、株主総会資料の配布が、自社ホームページからダウンロードする方法により可能になります。 ですが、この旨は定款で定めた上、登記する必要があります。 (会社法第325条の2)

目次

1.株主総会資料の配布を自社HPからダウンロード。何が問題?

2.最近取り扱った事例

3.まとめ


1.株主総会資料の配布を自社HPからダウンロード。何が問題?

 令和4年9月1日より、株主総会資料の配布が、自社ホームページからダウンロードする方法により可能になります。 ですが、この旨は定款で定めた上、登記する必要があります。 (会社法第325条の2)

 実は、クラウド会計システムfreeeで設立した株式会社の中に、この定款の定めがあるケースがあるとの情報を入手。freeeでは、2019年12月から現在まで、この条文を見越して、設立用定款ひな形に当該「電子提供制度」の記載を推奨していました。

この条項が入っている定款をお持ちの会社は、令和4年9月1日から9月15日の間に、「登記義務」が発生します。(会社法第911条第3項第12号の2、同法第915条第1項)

 この「登記義務」に違反した会社には、最大100万円の過料が科されます。(会社法第976条第1号)※施行日から6か月以内に登記をしなかった場合

 ほとんどの小規模な会社では、株主と経営者が一緒というケースがほとんどであり、そういった場合、この「電子提供制度」は意味がありません。

 以上のことから、ご自身の会社の定款に、不必要な「電子提供制度」の条項がある場合、令和4年8月31日までに、株主総会を開催して、当該条項を削除する決議をしておいた方がいいです。(この場合登記義務は課されませんので、安心です。)

※この制度をご利用になりたい会社様については、期間内に登記をしてください。

とはいっても、約1年経過してしまっております。登記未了の場合には、登記懈怠と判断される可能性があります。 

(申請の期限について)

①施行日において振替株式を発行している会社(上場会社)
 施行日から6カ月以内(2023年2月28日まで)に電子提供措置に関する規定の登記を申請する必要があります。
 ただし、施行日以降上記期限までに他の登記を申請する場合は、当該他の登記と同時に電子提供措置に関する規定の登記も申請する必要があります。
 2022年9月1日(施行日)から2023年2月28日(登記期限日)までの期間に、役員の改選があるため役員変更登記を申請する会社や、新株予約権を発行していて上記の期間中に行使があるため新株予約権行使の登記を申請するか会社等は、上記の登記期限が到来する前でも、電子提供措置に関する規定の登記を申請する必要がありますのでご注意ください。

➁施行日後に定款を変更して電子提供措置をとる旨の定款規定を置いた会社
 定款変更の効力発生日から2週間以内に電子提供措置に関する規定の登記を申 請する必要があります。 

2.最近取り扱った事例

 昨年の今頃、会社設立を受任したときの案件で定款をチェックしている時に、株主総会資料の電子提供の項目があり、先方に事情を話して定款認証前に削除したことがありました。

 その後、今年の6月から8月にかけて、定時株主総会による役員変更登記のご依頼を多数受任しましたが、その際には、必ず定款を確認しています。取締役会を設置していない株式会社で、会社の代表取締役が変更になったときで、定款に「取締役の互選」の規定がある場合、定款が添付書類となります。

 この場合、この株主総会資料の電子提供制度の条項があると、登記義務が発生してしまうためです。

 幸いなことに、私が携わった案件につきましては、この条項があるものはありませんでした。

3.まとめ

 私は、freeeを利用していないから大丈夫と思っても、freeeの定款を基に定款を作成して会社設立等のサービスを提供を受けている可能性もありますので、ぜひ、定款をチェックしてみてください。

 もし、条項があった場合は登記することをお勧めいたします。

詳しくは司法書士まで。

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