司法書士試験の「記述試験」の配点の変更について

2023年12月05日

令和5年12月4日、法務省HPにて「【重要】司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について」として、「令和6年度以降に実施する司法書士試験筆記試験午後の部の記述式問題の配点を以下のとおり変更するので、あらかじめお知らせします。なお、午後の部の試験時間(3時間)には変更はありません。」とされており、択一式210点はそのままで、記述式70点満点が140点へと変更されました。

目次

1.法務省HP「【重要】司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について」

2.司法書士試験の記述式問題で求められる能力

3.配点の割合の変化

4.試験対策の戦略の変更は必要か?

5.まとめ


1.法務省HP「【重要】司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について」

 令和5年12月4日、法務省HPにて「【重要】司法書士試験筆記試験記述式問題の配点の変更について」として、「令和6年度以降に実施する司法書士試験筆記試験午後の部の記述式問題の配点を以下のとおり変更するので、あらかじめお知らせします。なお、午後の部の試験時間(3時間)には変更はありません。」とされており、択一式210点はそのままで、記述式70点満点が140点へと変更されました。

2.司法書士試験の記述式問題で求められる能力

 司法書士試験の記述試験問題で求められる能力は、問題文と添付書類から「なすべき登記」を判断し、その内容を解答用紙に書いていき、その登記に必要な添付書類を正確に選別できる能力です。ほぼ実務と言っていい内容ですので、実務経験のない方は不利に思うかもしれませんが、今までも同様の試験が実施されており、配点が変更になる以外の部分で、今までの学習内容に変更はないと思います。

 実務をしていないとだめなんじゃないのかという話をよく聞きますが、私自身、合格後の配属研修以外に実務経験はありませんでしたが、ちゃんと得点できていました。

 過度に学習内容を変更する必要はないと思いますが、もともと記述式試験は、練度がものを言います。日々の学習に必ず入れていくようにしておき、本番で焦らないで済む訓練は必要です。詳しくは、令和5年12月3日のブログ「記述試験という魔物」を参考にしてみてください。

3.配点の割合の変化

 今までの試験の配点が、択一式210点・記述式70点。つまり、択一:記述の割合は、3:1で、記述の占める割合が25%だったところ、令和6年度からの試験は、択一式210点:記述式140点。割合は3:2で、記述式の占める割合は、40%となります。

 一般的には、択一・記述で基準点が発表され、それに大体30点ほどの上乗せ点が近年の試験で必要でした。今までの試験で記述は内容により差が出やすいので、安定して上乗せ点をとる手法として、択一の精度を上げていくのが、コスパがいいと予備校などでは言っていたと思います。令和6年度の試験結果が出ないとわかりませんが、この上乗せ点については、今のところ未知数です。記述が得意な方は、記述で上乗せ点を確保する選択肢ができますが、かといって、択一をないがしろにはできません。

4.試験対策の戦略の変更は必要か?

 記述の配点が倍になることを受けて、司法書士試験対策の戦略を見直さなければならないのか?というと、そこまで過度に反応しなくてもいいのではないのかなと思います。

 この変更に一喜一憂するのではなく、予定を立てていた学習をきっちりこなすことが重要だと思います。そして、来年の模試を見ながら、微調整していけばいいのかなと思います。

 試験の形態や問題量の配分が変わったのであれば、時間の配分・ペースをどのようにするのか、大きな調整が必要となりますが、今のところ、試験の形態自体は例年と同じで、記述の配点の配分が倍になるだけみたいなので、大きく戦略の変更は必要ないと考えます。

5.まとめ

 令和6年12月4日に、法務省HPに突如として掲載された、今回の司法書士試験の変更点ですが、過度に反応するのではなく、予定している学習内容をきっちりこなしていくことが大事です。時間や問題数が変わるのではなく、単純に今までの試験形態をキープしつつ、記述の配点が倍になるといった内容ですので、司法書士を目指されている方は、心を落ち着かせて、予定していた学習内容をこなしていけばいいと思います。

最新のブログ記事

令和6年8月21日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

ランサムウェアは、コンピュータシステムを人質に取り、復旧のための身代金を要求するサイバー攻撃です。最近では、その手口が高度化・多様化し、企業や個人に対する脅威が増しています。以下に、最近のランサムウェアの事例と、それに対する対策方法をまとめます。

自筆証書遺言は、遺言者が自分で書き残す形式の遺言書で、作成や変更が比較的容易であるため、多くの人に利用されています。しかし、その一方で法的効力を持たせるためには一定の要件を満たす必要があります。以下に、自筆証書遺言を作成する際に気を付けるべきポイントを詳しく説明します。

不動産は、生前対策として非常に有効な手段です。相続税の負担を軽減し、遺産分割をスムーズに行うために不動産を活用することは、多くのメリットがあります。以下に、不動産を利用した生前対策のメリットを詳しく説明します。

<