辞任の場合では同等の取扱は認められているでしょうか?
「株主総会議事録中、役員が辞任した旨の記載がある場合は、辞任届の添付は要しない(登記研究81号)」
「株主総会議事録に、席上取締役は辞任を申し出た旨の記載があるときは、当該取締役の辞任による登記申請書には、辞任届を添付を要しない(登記研究83号)」
少し古いですがこのような質疑応答があります。
また、記載援用について
「株主総会等の席上、辞任意思を本人が表明した場合に限って、議事録の記載援用が許される。(昭36.10.12民四197号)」
つまり、上記ケース以外で、退任を証する書面として「辞任届」を添付しなければならないということになります。
就任も辞任も要件は総会出席の事実と、その総会内で対象役員が就任・辞任の意思表示をすることになるのですが、辞任の場合は少し慎重になってしまいます。必ず、総会内の事実確認をとるようにしています。なぜなら、株主総会議事録は、株主総会という株式会社における最高意思決定機関でありその議事における内容を記録したもので、虚偽の記載があってはなりません。虚偽の記載を行った場合は、会社法974条(虚偽届出等の罪)により罰せられることになります。この罰則は「三十万円以下の罰金に処する。」とありますので、刑事罰になります。
ですので、仮に株主総会で本人出席とその意思表示があっても、「就任承諾書」「辞任届」は頂くようにしております。
3.まとめ
司法書士は申請代理人として、登記ができたらいいというのではなく、その事実関係及びプロセスの確認は怠ってはいけません。相続により代表者が変わる場合にも、何度か残った役員の方たちとヒアリングを重ねることで、現状を確認しその先の登記に繋げるように心がけております。
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