定款の目的(介護予防事業を目的とする場合など)

2024年01月23日

定款の目的の記載について、事業目的を明確にするために記載しなければいけません。特に、許認可が必要な場合の目的の記載方法については、許認可の申請先の行政の指示を受けることが必要なのですが、今回は「介護予防事業」について解説いたします。また、金融機関が嫌う事業目的についても、少し触れてみたいと思います。

目的

1.介護サービスの種類について

2.なぜ介護系事業をするために定款の目的が必要なのか

3.介護予防事業の種類による記載方法(香川県高松市の場合)

4.(おまけ)金融機関によっては嫌われる定款の目的

5.まとめ


1.介護サービスの種類について

 ⑴居宅サービス / 介護予防サービス

  ①訪問介護

  ➁訪問入浴介護

  ③訪問看護

  ④訪問リハビリテーション

  ➄居宅療養管理指導

  ⑥通所介護(デイサービス)

  ⑦通所リハビリテーション

  ⑧短期入所生活介護(ショートステイ)

  ⑨短期入所療養介護

  ⑩特定施設入居者生活介護

  ⑪福祉用具貸与

  ⑫特定福祉用具販売

 ⑵ケアマネ

  居宅介護支援

 ⑶施設サービス

  ①介護老人福祉施設

  ➁介護老人保健施設

  ③介護療養型医療施設

 ⑷地域密着型サービス

  

 以上の4種類に分けることができます。勿論、これらの事業をしようとする場合には、行政の指定が必要となるので、事前協議を経たうえで設立に伴う定款作成又は、既存法人の目的変更の登記申請をした後に、指定の申請を行う流れとなっています。

 そして、定款の目的への表記の仕方も決まっております。以下の通りです。

  介護保険法に基づく居宅介護支援事業

  ✕介護保険法に基づく訪問介護事業 ⇒ 介護保険法に基づく第1号訪問事業

  介護保険法に基づく訪問入浴介護事業

  介護保険法に基づく訪問看護

  介護保険法に基づく訪問リハビリテーション事業

  介護保険法に基づく居宅療養管理指導事業

  ✕介護保険法に基づく通所介護事業 ⇒ 介護保険法に基づく第1号通所事業

  介護保険法に基づく通所リハビリテーション事業

  介護保険法に基づく短期入所生活介護事業

  介護保険法に基づく短期入所療養介護事業

  介護保険法に基づく特定施設入所者生活介護

  介護保険法に基づく特定福祉用具販売事業

  介護保険法に基づく福祉用具貸与事業

  介護保険法に基づく居宅介護支援事業

  介護保険法に基づく介護予防訪問介護事業

  介護保険法に基づく介護予防訪問入浴介護事業

  介護保険法に基づく介護予防訪問看護

  介護保険法に基づく介護予防訪問リハビリテーション事業

  介護保険法に基づく介護予防居宅療養管理指導事業

  介護保険法に基づく介護予防通所介護事業

  介護保険法に基づく介護予防通所リハビリテーション事業

  介護保険法に基づく介護予防短期入所生活介護事業

  介護保険法に基づく介護予防短期入所療養介護事業

  介護保険法に基づく介護予防特定施設入所者生活介護事業

  介護保険法に基づく特定介護予防福祉用具販売事業

  介護保険法に基づく介護予防福祉用具貸与事業

  介護保険法に基づく夜間対応型訪問介護事業

  介護保険法に基づく認知症対応型通所介護事業

  介護保険法に基づく小規模多機能型居宅介護事業

  介護保険法に基づく認知症対応型共同生活介護事業

  介護保険法に基づく地域密着型特定施設入居者生活介護事業

  介護保険法に基づく地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護事業

  介護保険法に基づく複合型介護事業

  介護保険法に基づく定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業

  介護保険法に基づく介護予防認知症対応型通所介護事業

  介護保険法に基づく介護予防小規模多機能型居宅介護事業

  介護保険法に基づく介護予防認知症対応型共同生活介護事業

※2か所、表記の仕方が近年変更されています。また、表記の仕方については、事前協議の際、行政に確認をするようにしてください。

2.なぜ介護系事業をするために定款の目的が必要なのか

 介護事業に限らず、会社法人が事業を行おうとする場合、定款の目的に当該会社法人が行う事業の内容を書かなければ、その事業をすることができません。個人事業の場合だと特に制限はないのですが、会社法人の場合、定款の目的に表記(登記事項)して初めて効力が発生するためです。

 そして、会社法人の事業について、事業の内容が介護事業である場合、行政の指定を必要とするからです。行政の指定なしで、介護事業を行うことはできません。

3.介護予防事業の種類による記載方法(香川県高松市の場合)

 高松市の場合、「介護保険法に基づく訪問介護事業」は、「介護保険法に基づく第1号事業」の表記にするよう指導がありました。

4.(おまけ)金融機関によっては嫌われる定款の目的

 ここから話が変わるのですが、一部の金融機関が嫌う定款の目的は、「○〇の輸出入事業」です。私の方でも、輸出入業を実際にやっている会社様もありますので、何とも言えないのですが、実際に金融機関によっては、融資をす際に「マネーロンダリング」の恐れがあるためだと説明を受けたことがあります。実際に輸出入業をしている会社様においては仕方ないのですが、会社を設立する際に、すぐに必要としないのであれば外しておいた方がいいかもしれませんね。

5.まとめ

 今回は、会社法人の定款の目的について話をしていきました。会社法人が事業を行う場合には、定款の目的に記載がなければ、勝手に事業をすることができないということ。特に、介護事業を行う場合、行政の指定を受けるために、どの介護事業をするのかについて明確にするために、決まった表記方法がありますので、行政の指示に従うようにしてください。また、金融機関が難色を示す定款の目的についてご紹介いたしました。

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