最近の相続関連相談の動向

2023年11月10日

令和5年4月から現在の問い合わせ件数は、約8倍ほどに増加しております。内容の詳細についてはお話をすることができないのですが、その動向について少しお話をしたいと思います。現状、相談者の方が抱えている問題などが見えてくると思います。

目次

1.相談件数の推移移

2.相談内容の事例

3.まとめ


1.相談件数の推移移

 統計を取り始めたのが、令和5年4月からです。司法書士として、公的な機関での相談は含みません。事務所に電話、メール、来訪を含めた件数になります。

 令和5年4月   3件

 令和5年5月   2件

 令和5年6月   6件

 令和6年7月   3件

 令和6年8月   8件

 令和6年9月  12件

 令和6年10月 24件

増加傾向は見て取れると思います。

2.相談内容の事例

(数世代の相続登記放置)

 相談内容で多いものが、「先代から放置している相続について」です。やはり、令和6年4月1日に始まる相続登記義務化について意識される方が増えてきたものと思います。

 アイリスで相続人の調査と物件の調査を行い、相続登記をするためのサポートをしております。費用は、相続人の数や、調査に係った機関などを基準に計算しますので、一律いくらというわけではありませんのでご注意ください。

(相続した不動産の処分)

 こちらも、最近多くなってきた相談内容です。すでに、相続人の方は自分の家を持たれているため、両親が住んでいた実家が不要となり、空き家になるので処分を検討しているというものです。場所によっては、建築基準法などの制限を受けて、建て替え不可の場所であるケースや、立地は良いものの土地のみ売却するとなると、建物の取り壊し費用が高額になってしまうケース、なかなか買い手がつかないといった内容でした。

 この点につきましては、買い取りリフォームや買い取り賃貸などで事業を行っている業者と知り合いましたので、そちらの業者を紹介するようにしております。

 また、相続土地国庫帰属制度の活用もご紹介しております。すでに、富山県で最初の申請受理案件が発生しております。ただし、アイリスで対応できるのは、香川県内の土地が対象となります。県外の場合、四国内でしたら、知り合いの司法書士をご紹介することも可能です。

(遺言書の検討)

 次に多かったのが、「そろそろ遺言書を考えている」とのご相談でした。ご年齢を確認すると80歳以上が多かったと記憶しております。また、遺言書の相談について、簡単にできると考えている方も多い様で、公正証書遺言や自筆証書遺言書の法務局保管制度のお話をすると、「そんなに大変ならもういいです」とおっしゃられる方もいらっしゃいました。

 以前のブログでも書きましたが、平均寿命は85歳となっていますが、健康寿命は70から75歳です。手続きには、移動と時間を要します。体がまだ健康な状態での遺言書の検討をアイリスではお勧めしております。

 また、遺言書については、最近長い文章の文字が書きずらい(文字が書けない)場合が多かったように思います。公正証書遺言の場合は、遺産の分け方を具体的にメモ書きをして、公証役場に事前に渡しておけば、当日公証役場に出向いて読み聞かせを受けて返答をするのみで、遺言書を作成することができます。この場合でも、自身のお名前は、自筆で書く必要があります。

 証人の一人に、司法書士が必ず入るようにしております。のちに、意思能力で争いが起こった場合に、証人として専門家が入っていれば、あえて意思能力で争うこともないと考えております。

3.まとめ

 最近の相談件数とその内容についてお話をしてきました。相続登記義務化による放置されている相続登記のご相談が群を抜いて多いです。次に多かったのが、相続した不動産の処分に関してのお話です。行政でも取り組みはしているものの、どうしても時間がかかってしまうため、あきらめている方もいらっしゃいましたが、空き家対策に積極的に取り組まれている業者の方もいらっしゃいますので、ぜひアイリスにご相談ください。

※司法書士には守秘義務が課されています。

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