父が最近物忘れがひどくなってきているが、何か手立てはないのか?
2023年01月23日
息子様からのご相談で、「父が最近物忘れが激しくなり、現状デイサービスに通わせているが、何かいい方法はないのか?」というご相談がありました。
私の方で、判断能力があるうちに、息子様との間で「任意後見契約」の締結をしておいた方がいい旨をお話いたしました。なぜなら、任意後見契約なしでもしも認知症になった場合、介護施設や病院への入所の契約は、原則息子様が行えない可能性があることをお伝えしました。契約は厳密にいえば当事者同士の約束事になりますので、本来は入所するお父様がすべき法律行為になるためです。
かくいう私も、以前有料老人ホームの施設長をしていた時、ご家族との間で契約書の作成を実施していました。なぜなら、「本人のためになる」という理由からです。
お父様には、賃貸物件のアパートを所有しており、これが老朽化し始めているとのことでしたので、建て替えや大規模修繕を予定しているのであれば「家族信託」を使うことをお勧めいたしました。任意後見では「財産管理」と「身上監護」のみで、その財産管理も積極的な活用はすることはできません。
しかし、費用が掛かりすぎるとのことで、任意後見のみの選択をされました。
アパートの件について、もし、考えが変わるようでしたらご連絡いただけるとのことでした。
認知症対策の相談でしたが、3週間ほど他のご家族とも話し合われて、任意後見契約のみとすることになりました。