生前贈与すれば相続は解決する?司法書士が断言します【答え:むしろ危険な場合もあります】

2026年01月16日

「生前贈与をしておけば、相続でもめない」
この考え方も、生前対策で非常に多い誤解の一つです。
結論から言えば、生前贈与は万能な相続対策ではなく、やり方を間違えるとトラブルを増やす原因になります。税金の問題だけでなく、不公平感や名義トラブルを生みやすいからです。
この記事では、生前贈与の誤解されやすい点と、実務で注意すべきポイントを司法書士の視点で解説します。

目次

  1. 「生前贈与すれば安心」という誤解
  2. なぜ生前贈与が魅力的に見えるのか
  3. 生前贈与でできること・できないこと
  4. 生前贈与がトラブルを招く3つの理由
  5. 特に注意が必要な不動産の生前贈与
  6. 税金の落とし穴を見落としていませんか
  7. 実務でよくある生前贈与の失敗例
  8. 本当に必要なのは「贈与」より「整理」
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 「生前贈与すれば安心」という誤解

生前贈与という言葉には、

  • 早めに渡しておけば安心
  • 相続税対策になる
  • もめる前に解決できる

といった、前向きなイメージがあります。
しかし実務では、生前贈与が原因で相続関係が悪化するケースを数多く見てきました。

2. なぜ生前贈与が魅力的に見えるのか

生前贈与が選ばれやすい理由には、次のようなものがあります。

  • 「元気なうちに渡したい」という親心
  • 相続税対策として紹介されることが多い
  • 手続きが簡単だと思われがち

結果として、全体設計を考えないまま実行されてしまうことが少なくありません。

3. 生前贈与でできること・できないこと【要約ポイント】

まず、生前贈与の役割を整理します。

生前贈与でできること

  • 特定の人に財産を渡す
  • 将来の相続財産を減らす

生前贈与でできないこと

  • 相続人全員の納得を保証する
  • 感情的な不公平感を防ぐ
  • 将来の管理・処分問題を解決する

👉 「渡したら終わり」ではないのが生前贈与です。

4. 生前贈与がトラブルを招く3つの理由

不公平感が残る

一部の子だけに贈与すると、
「なぜあの人だけ?」
という不満が必ず残ります。

後から取り戻せない

贈与は原則として取り消せません
関係が変わっても修正がききません。

相続時に蒸し返される

生前贈与は、相続時に
「特別受益」
として問題になることがあります。

5. 特に注意が必要な不動産の生前贈与

不動産の生前贈与は、実務上リスクが高い手段です。

  • 贈与税の負担が重い
  • 登録免許税・不動産取得税が高額
  • 親が住み続けられなくなる可能性

👉 「節税になると思ったら、結果的に損をした」という相談も多くあります。

6. 税金の落とし穴を見落としていませんか

生前贈与には、次の税金が関係します。

  • 贈与税
  • 相続開始前の加算(一定期間)
  • 名義預金と判断されるリスク

👉 税金対策だけを目的にした生前贈与は、失敗しやすいのが実情です。

7. 実務でよくある生前贈与の失敗例

【事例】
長男にだけ不動産を生前贈与。
相続時に他の兄弟が強く反発し、遺産分割協議が紛糾。

結果、

  • 家族関係が悪化
  • 贈与の意味がなくなる

👉 生前に全体像を考えていれば防げたケースです。

8. 本当に必要なのは「贈与」より「整理」【評価ポイント】

実務で大切なのは、

① 財産の全体像を把握する
② 家族関係を整理する
③ 手段を組み合わせて設計する

ことであり、生前贈与は選択肢の一つにすぎません


9. よくある質問(FAQ)

Q. 少額の生前贈与なら問題ありませんか?
A. 問題にならない場合もありますが、目的と全体設計が重要です。

Q. 生前贈与をしたら遺言はいらない?
A. いいえ。別途遺言が必要なケースが多いです。

Q. 生前贈与はいつ検討すべきですか?
A. 他の対策と併せて、慎重に検討する必要があります。


10. まとめ【要約用】

  • 生前贈与は万能な相続対策ではない
  • 不公平感・税金・名義トラブルのリスクがある
  • 特に不動産の生前贈与は慎重に
  • 全体設計の中で手段を選ぶことが重要

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