申請取次 在留資格「特定技能」で、今起こっていること

2023年09月13日

法律で残業規制をして、外国人をトラック、バス、タクシーのドライバーに特定技能という在留資格で外国人労働者を活用しようとしています。毎日新聞の記事で、「<この国が縮む前に>タクシーなど外国人運転手を拡大 国交省「特定技能」に追加検討」という見出しで出ていました。今までの特定技能は、その企業内での雇用で活動範囲が限定されていますが、ドライバーとなると、一般道を使うわけです。リスクを本当に認識できているのでしょうか。はなはだ疑問です。

目次

1.在留資格「特定技能」とは

2.記事の内容

3.正直な感想

4.まとめ


1.在留資格「特定技能」とは

「在留資格特定技能」とは、日本の外国人労働者が特定の職種で日本で働くために必要な在留資格の一つです。この在留資格は、2019年に日本政府によって創設され、外国人労働者を受け入れる日本の労働市場を開放するための制度の一部として導入されました。

この在留資格は、特定の職種に関連する技能を持つ外国人労働者に提供されます。特定技能の在留資格は、以下の2つのカテゴリーに分かれています:

特定技能1号:このカテゴリーは、高度な技能を持つ外国人労働者向けで、特定の職種において高度なスキルや経験を持つ必要があります。特に、建設、造船、農業、宿泊業、飲食店など、労働力不足の業種での雇用が対象です。

特定技能2号:このカテゴリーは、初心者や中級者の技能を持つ外国人労働者向けで、特定の職種でのスキル向上を目指す人に提供されます。特に、介護、製造業、建設業、農業、飲食店など、様々な業種が対象です。

特定技能の在留資格を取得するためには、特定の技能試験を受ける必要があります。また、日本語能力や生活基盤の確保など、特定技能の在留資格を取得するための条件が設定されています。

この制度は、日本の労働力不足を補うために外国人労働者を受け入れることを目的としており、外国人労働者にとっても、日本での雇用機会を提供する機会となっています。ただし、詳細な要件や申請手続きは定期的に変更される可能性があります。

2.記事の内容

 毎日新聞記事引用「国土交通省は、人手不足が顕著なトラック、バス、タクシーのドライバーについて外国人労働者を活用する検討に入った。労働力が不足する産業で、即戦力となる外国人労働者の受け入れを認める在留資格「特定技能」の対象に、「自動車運送業」を今年度中にも追加する方向で出入国在留管理庁と協議している。人口減少で国内の労働力が不足する中、外国人材に活路を求める動きが加速しそうだ。

 トラックなどのドライバーを巡っては、2024年4月から残業時間の上限が年間960時間に規制される。この影響で人手不足がさらに深刻化し、需要に合わせて人やモノを運べなくなる「2024年問題」が懸念されている。」(引用終わり)

3.正直な感想

 そもそも、残業が960時間に規制される法律を作ったのは、過度な労働環境を改善するために作ったものですが、経過措置も取らず、いきなり規制し、それが問題になるから外国人に頼るという構造は、いかがなものでしょうか?それで、日本人の生命と財産を守ることが本当にできるのでしょうか?

別の記事では「漢字の壁、繰り返し勉強

 外国人材の活用を巡り、トラック以上に課題が多いのがバスとタクシーだ。トラックは「第1種免許」の学科試験を英語など一部の外国語で受験できるが、客を乗せるバスとタクシーは「第2種免許」の試験を日本語でパスしなければならない。外国人には、これがまず「大きな壁」(全国ハイヤー・タクシー連合会)になる。

 「漢字が全然分からず、学科試験は本当に大変だった」。6年前から永住者ら外国人の本格採用を始めたタクシー会社「日の丸交通」(東京都文京区)。83人の外国人ドライバーが在籍する。イタリア人、ベリニ・マッシモさん(44)は21年2月、英会話講師を辞めて同社に転職した。人と話すのが何より好きだが、新型コロナウイルスの感染拡大で英会話学校の生徒は激減。新しい仕事を探していた時、運転手募集の広告を見つけた。「これだ! やってみたい」

 研修中に2種免許の試験を受けた。来日から16年がたち、日本語で簡単な会話はできるが、漢字が大きな壁で「練習、復習、練習、復習と、毎日毎日勉強した」。学科試験は50分間で95問。100点満点で90点以上で合格だが、問題文を読むのに時間がかかり、当初は解き終わる前に時間切れになることの繰り返しだった。7回目の受験で合格し、タクシー運転手としてデビューしたのは入社から半年後だった。今は仕事を楽しんでいる。

 「お客さんはすごく優しい。難しいことがあってもインポッシブル(不可能)ではない。コミュニケーションがあれば、99%のことは(対応)できます」(引用終わり)

 この方は7年かけてタクシーの運転免許を取ったそうです。来年の問題を解決できるかどうかを特定技能という在留資格で行うのは妥当なのか、今一度検討していただきたいところです。

4.まとめ

 外国人だからダメというわけではなく、特定技能という分野は、現状、事業所内または漁業や農業といった場所での活躍の場があったところ、今回のドライバーを考えると、明らかに一般の方が往来する公道を使用するわけです。漢字が理解できる以外の国の方からすると、標識や看板など見落として、大事故につながるケースも大いに考えられるわけです。

 先日の経営者の会で講和していただいた運送会社の社長様のお話では、地元の配送が主軸で事業展開をしているが、2024年問題に向けて、長距離の運送に非正規の請負として参入しようとしておられる方がいらっしゃいました。つまり、まだ本当に2024年に人手不足になるのかは、やり方次第の面もあります。

 外国人労働者ありきで話を進めるのは、いったいどういうことなんでしょうかね。

 あくまで、私個人の私見です。

最新のブログ記事

令和6年12月18日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。

司法書士試験に合格するためには、効果的な学習方法と徹底的な準備が必要です。私が合格する前年と合格年度に実施した学習法は、時間の使い方と効率的な復習を重視し、最終的には「回す道具」を整えることに集中しました。この学習法は、学習のインプットだけでなく、アウトプットを通じて知識を定着させることに焦点を当てたものです。

明治31年(1898年)7月16日から昭和25年(1950年)5月2日までの間における相続制度は、旧民法(明治民法)によって規定されていました。特に、この時代の相続制度は「家督相続」と「遺産相続」という2つの異なる制度が存在しており、家制度(家族制度)に基づく相続形態が特徴的です。

<